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[BOOKデータベースより]
本書は、アメリカの自由市場主義がどのように世界を支配したか、その神話を暴いている。ショック・ドクトリンとは、「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のことである。アメリカ政府とグローバル企業は、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に、およそ不可能と思われた過激な経済改革を強行する…。ショック・ドクトリンの源は、ケインズ主義に反対して徹底的な市場至上主義、規制撤廃、民営化を主張したアメリカの経済学者ミルトン・フリードマンであり、過激な荒療治の発想には、個人の精神を破壊して言いなりにさせる「ショック療法」=アメリカCIAによる拷問手法が重なる。
ブランク・イズ・ビューティフル―三〇年にわたる消去作業と世界の改変
[日販商品データベースより]第1部 ふたりのショック博士―研究と開発(ショック博士の拷問実験室―ユーイン・キャメロン、CIA、そして人間の心を消去し、作り変えるための狂気じみた探究;もう一人のショック博士―ミルトン・フリードマンと自由放任実験室の探究)
第2部 最初の実験―産みの苦しみ(ショック状態に投げ込まれた国々―流血の反革命;徹底的な浄化―効果を上げる国家テロ;「まったく無関係」―罪を逃れたイデオローグたち)
第3部 民主主義を生き延びる―法律で作られた爆弾(戦争に救われた鉄の女―サッチャリズムに役立った敵たち;新しいショック博士―独裁政権に取って代わった経済戦争;危機こそ絶好のチャンス―パッケージ化されるショック療法)
第4部 ロスト・イン・トランジション―移行期の混乱に乗じて(「歴史は終わった」のか?―ポーランドの危機、中国の虐殺;鎖につながれた民主主義の誕生―南アフリカの束縛された自由;燃え尽きた幼き民主主義の火―「ピノチェト・オプション」を選択したロシア)
戦争,津波やハリケーンのような自然災害,政変などの危機につけこんで,あるいはそれを意識的に招いて,人びとが茫然自失から覚める前に,およそ不可能と思われた過激な市場主義経済改革を強行する.アメリカとグローバル企業による「ショック療法」は世界に何をもたらしたか.3.11以後の日本を考えるためにも必読の書.
■編集部からのメッセージ
本書は,2007年秋に刊行された