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- 犯罪
-
Verbrechen.
- 価格
- 1,980円(本体1,800円+税)
- 発行年月
- 2011年06月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784488013363
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ユーザーレビュー (2件、平均スコア:4.5)
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- ぜみちょー
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淡々とした筆致が効果的な作品
これはジャケ買いでした。
表紙絵のタッチが一瞬ルドンを思わせるような筆使いで、「なんか手元に置いておきたい!」と思わされてしまいました。
内容はとても中身の濃い短篇集。
著者はドイツで弁護士をしている方みたいですが、本作はデビュー作にも関わらず数々の賞を受賞し、かなりの国で翻訳がなされているようです。
現実にあった事件に着想を得ているとのことで、淡々とした筆致で語られる11編の犯罪からは、人間の持つ哀しみやおかしさを浮かび上がらせることに成功しています。ひとつひとつの話は20ページくらいの小品ですので、とても読みやすいと思いますし、オススメです。
- 普通の人
-
全体のバランスにも感心しました
11編ともに味わいのある話である。 それに、11編の順番もいい。
最初の「フェーナー氏」は、少しやり切れない話だが、ラストに救われる。
そして、真中にあたる「サマータイム」が、もっとも通常のミステリーに近い(ただ、タイトルに難がある)。
10編目の「愛情」が、やや背筋に寒気が走る話だけに、そのすぐ後で、全体を締めくくっている「エチオピアの男」の中にある、“温かみ”が際立つ。
犯罪の話ばかりで暗くってもおかしくないのだが、ラストに“救い”のある作品を最初と最後というように大きく隔てて配置したため、そういった部分がしつこくない形で心に残り、全体の読後感が良くなっている。
面白いのは、日本と様々に違うドイツの司法制度だ。検察が中立であることや拘束と釈放の権限を一人で持つ捜査判事という存在、精神鑑定や裁判の進め方など、先進国といっても様々であることが分かる。
また、人口は日本の8割弱だが殺人事件が日本よりも多いこと、移民が多いこと、「棘」で書かれる博物館の警備員に対する処遇なども、彼我の違いを感じさせる。
簡潔な描写で引き締まった感じを受ける一方で、想像力をかきたてられる部分も多く、余韻が残る1冊である。
[BOOKデータベースより]
一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。―魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描きあげた珠玉の連作短篇集。ドイツでの発行部数四十五万部、世界三十二か国で翻訳、クライスト賞はじめ、数々の文学賞を受賞した圧巻の傑作。
[日販商品データベースより]弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描く連作短篇集。文学賞3冠、処女作にして45万部突破の欧米読書界を驚嘆せしめた傑作。〈受賞情報〉本屋大賞翻訳小説部門(2012年)