- 乳と卵
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- 価格
- 616円(本体560円+税)
- 発行年月
- 2010年09月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784167791018
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ユーザーレビュー (2件、平均スコア:4.5)
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「3 SPECIAL BOOKS」レビューコメント
【きっかけの1冊】 “文章”の概念を覆してくれた作品。学校で教えられたり、読書の経験から文章とはこうあるべきという固定観念が知らず知らずのうちに自分のなかでつくり上げられていた。他人に伝えるものだから、一文は短く、とか、前後の繋がりを論理的に、とか、もう制約でがんじがらめだった。この作品の文章は、そんな制約からまったく解放されていて、読んでいて清々しい。考えの経路がそのまま、まるごとぽんっと紙の上に載っているよう。だから、たとえ前後が論理的に繋がっていなかったとしても、あーわかるわかる、ってなるのだと思う。考えが生まれるとき、同時に文章としての体裁が整っているとは限らない、はず。それでもその文章は、かえって魅力的だとわからせてくれた一冊。文章を書くことへの苦手意識がちょっとばかり薄らいだ。
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sige
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女性って大変
ちょっと変わった大阪弁の口語体で綴られる。しかしながら、文が始まって句読点が出てくるまでかなりの長さがある。ここは句読点だろうというところも句点でどんどん繋げていく。ところが不思議な事に情景や心情がすんなりと伝わってくる。
“女の性(サガ)”について純粋に悩む少女の気持ちが切ないほどにこちらに染み込んでくる。生きるだけでも大変なのに“豊胸”のことばかり言う母親に精一杯の抵抗をする少女の姿が健気だ。“乳”も“卵”も女性の“物”。ラストの“卵”騒ぎは“女の性”に対する少女の心の表現。う〜ん、やっぱり女性って生きるのが大変だ。
[BOOKデータベースより]
娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取り憑かれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった、芥川賞受賞作。