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- せみまる
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諦念と希望の同居
著者は一橋大学大学院社会学研究科の教授。といっても、社会学者というわけではなく京都府立医科大を卒業した医学博士で精神科医でもある。研究分野のひとつとして「医療人類学」がありますが、これは初めて聞く学問です。
著者の名前を知ったのは2010年の3月に朝日新聞の夕刊に掲載された「人の価値が下がる時代 張りつく薄い寂しさ」というタイトルの寄稿を読んだことからです。そんな経緯で興味を持ち本書を手に取りました。
第一部にあたる「内なる海、内なる空」は主として書き下ろし、第二部の「クロスする感性」は「週刊医学界新聞」(という新聞が世の中にはあるんですね)で連載された米国滞在記、そして書名となっている書き下ろしの「傷を愛せるか」は第三部の「傷のある風景」に収録されています。
第一部の「内なる海、内なる空」のパートが最も好みです。ほとんど私小説と言っていいのではないでしょうか。簡潔で乾いた文章から仄見えるのは、諦めと希望が同居しているような心象風景。特に「予言・約束・夢」は著者のやさしさを垣間見させてくれる名文です。
[BOOKデータベースより]
心は震えつづける。それでも、人は生きていく。旅先で、臨床現場で、心の波打ち際にたたずむ。トラウマと向き合う精神科医のエッセイ集。
1 内なる海、内なる空(なにもできなくても;○(エン)=縁なるもの;モレノの教会;水の中 ほか)
[日販商品データベースより]2 クロスする感性(開くこと、閉じること;競争と幸せ;ブルーオーシャンと寒村の海;冬の受難と楽しみ ほか)
3 傷のある風景(傷を愛せるか)
人が傷つけ傷つきあって生きていく中ではぐくまれる智慧や、傷を抱えるからこそ気づくことがあるのではないか。心は震え続け、それでも人は生きていく…。トラウマと向き合う精神科医のエッセイ集。