
ユーザーレビュー (1件、平均スコア:3)
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紺碧の空
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自分にはちょっと難しかった・・・
題名だけを見て買ってしまった典型的な衝動買い。
ちなみに自分はギルガメッシュ神話も知識がないし、チグリス・ユーフラテス文明の詳細もぜんぜんわかりません。
本書はそんな自分には「帯に短し、襷に長し」といった塩梅でした。
入門書としては若干敷居が高く、かといって比較文化論的な内容でもないので自分にとってはとっつきにくい本でした。もうちょっとチグリス・ユーフラテス文明のあらまし・特徴など神話の背景になる部分に力を入れて話を進めてもらうとわかりやすかった気がします。もっとも、タイトルが「シュメル神話の世界」というくらいなので、その程度の知識はすでに持っている人を対象に書かれているような気もするので、これは購入した自分の判断ミスか。
そんな中で非常に感銘を受けたのは最終章。この章では「シュメルとウルの滅亡哀歌」という神話が取り上げられています。この最終章で掲げられたこの神話は、自らのシュメル文化が蹴散らされ、滅亡していく様をいかにも悲劇的に歌い上げています。神々は自分たちの都市が蛮族に蹂躙されるのを嘆き、悲しみます。そして、最後にその都市を放棄するのです。
都市が滅ぼされ、語り手がいなくなったはずのにその神話がこんなにも生々しく現在まで存続している、という事例は自分自身としては寡聞にして他の文明では聞いた事がなく、大きな衝撃を受けました。
[BOOKデータベースより]
いまから五千年前にティグリス、ユーフラテス河畔に栄えた人類最古の都市文明シュメル。粘土板には多くの神話が残され、ギルガメシュ叙事詩や大洪水伝説など、後世に伝えられたものも多い。これらの神話の世界では、酔っ払う大神、死後の国を覗こうとする女神、蛮族を征服する王、怪獣など、様々なキャラクターがいきいきと活躍している。代表的な神話のストーリーを紹介し、神神の役割や性格、舞台背景などを詳説する。
序章 粘土板に書かれた物語―シュメル神話の基礎知識
[日販商品データベースより]第1章 「創世神話」―人間はなぜ創造されたか
第2章 神々が送る大洪水の物語―伝説はシュメルにはじまる
第3章 「楽園神話」と農耕牧畜比較論
第4章 シュメル世界の規範「メ」と神々の聖船
第5章 エンリル神とニンリル女神の性的ゲーム―成人向け神話
第6章 大地母神と死んで復活する神―イナンナ女神冥界降下顛末記
第7章 大王エンメルカルと「小さな王」ルガルバンダ
第8章 『ギルガメシュ叙事詩』成立縁起―ビルガメシュ神の英雄譚
第9章 王による王のための神話―英雄神の怪物退治
終章 大河のほとりで―シュメル人国家の終焉とその後の伝承
今から5000年前にティグリス、ユーフラテス河畔に栄えた人類最古の都市文明シュメル。その粘土板には多くの神話が残されていた。代表的な神話のストーリーを紹介し、神々の役割や性格、舞台背景などを詳述する。