[BOOKデータベースより]
せっかくプレゼントをもってきてくれたサンタさんを、おいかえす家なんてある!?社長のひとりむすこオンニの家には、プレゼントが山ほどあるから、サンタさんのプレゼントはいらないんだって。ふだんからオンニは、どんなプレゼントをもらっても、よろこばない。ところが、今年のクリスマスは大ちがい。オンニがこういったんだ。「パパ、ママ、ありがとう。このプレゼント、さいこうだね!」いったい、なにをもらったと思う―。
[日販商品データベースより]せっかくプレゼントを持ってきてくれたサンタさんを追い返す家なんてあるでしょうか? 社長の一人息子オンニの家には、プレゼントが山ほどあるから、サンタさんのプレゼントはいらないんですって。ふだんからオンニは、何をもらっても喜びません。ところが、今年のクリスマスは大違い。オンニがこう言いました。「パパ、ママ、ありがとう。このプレゼント、最高だね!」いったい何をもらってのでしょう。
オンニのパパはお金もち。ひとり息子のためなら、なんでも買ってあげます。ほら、今年のクリスマスも、ギフトショップであれもこれもと山盛りのプレゼントを車にのせていますよ。どれくらい沢山かっていうと、せっかくプレゼントを持ってきてくれたサンタさんを追い返しちゃうくらい!?こんな夢のようなお話、喜ばない子がいるんでしょうか。…ところがいるんです。オンニはパパからのプレゼントを見てもちっとも喜ばないんです。読んでいると何だかオンニの気持ちがわかる。だって、パパは何でも勝手に決めつけちゃうんだもの。何でも持っているって結構大変なことなんだね。結局パパもママもオンニを喜ばせることが出来なかったクリスマスの夜、外では夜のさんぽが好きなぐっすりメーメさんが不思議な行動を始めましたよ。まだ開封していないオンニのプレゼントが積んである車に乗って運転したかと思ったら…!!一体何が起きたのでしょう。次の日の朝、オンニの口からこんな言葉が出てくるんです。「パパ、ママ、ありがとう。このプレゼント最高だね!」『サンタクロースと小人たち』が大人気、世界中で愛読されているフィンランドの絵本作家マウリ・クンナスが本当に嬉しいこと、楽しいことって何なのか、にぎやかな絵とユーモアをふんだんに交えながら教えてくれます。大人にも読んでもらいたい1冊です。そうそう、ぐっすりメーメさんのことが気になってしまった方は『ぐっすりメーメさん夜のおさんぽ?』『ぐっすりメーメさんの世界旅行』(ともに猫の言葉社)でその活躍を楽しんでくださいね。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
ゲームやスマートフォンなど便利なものが当たり前のように溢れかえる世の中、「子どもは子どもらしくあってほしい」と思っている親は多いと思います。
「けどそう思うのも親のエゴ?」「子どもを尊重しなくては!」とグルグル考えてしまい、ついつい子どもが喜ぶゲームやおもちゃばかり与えてしまったり。
そんな親にも子どもにも、全ての子育て世代に読んでもらいたい絵本です。
楽しい絵とともにじつは大事なことが全てかかれているからです。
物語はこう始まります。
「ねえ、クリスマスって一年でいちばん楽しいと思わない?
クッキーをやいたり、モミの木をかざったり、それに、プレゼントをあげたり、もらったりするんだもの。
だけど、なんでももっている人にプレゼントするのは、とてもむずかしいよね。ぼくたちの町タッスラでは、
クリスマスに
ふしぎなことがあったんだ・・・。」
このうつくしい言葉とファーストカットの次に、「わすれられないクリスマス マウリ・クンナス 作」というタイトルのページ。映画のように絵本は始まります。
お金持ちでなにをもらってももう喜ばないオンニ、ドラキュラ家のオットとロッタなど街の仲間たち、そして、ぐっすりメーメさん!が迎えるこの年のクリスマス。
いったいなにがおこるのでしょう?
そして、どんなに便利で最新のかっこいいものをもらっても嬉しくなかったオンニが一番喜んだ最高のクリスマスプレゼントとは?
実際に読んで確かめてみてください。
私がとくに好きなのは中盤のぐっすりメーメさんが登場するシーン。
クリスマスの夜中の静けさと寒さが伝わってくるかのようです。子どもの頃、みんなが寝静まったクリスマスの真夜中に降る雪を想像しただけでわくわくしたことを思い出しました。
ぐっすりメーメさん未読の方も、メーメさんファンも楽しめる一冊であり、合理主義の世の中を一蹴するこの本を、全ての子どもと大人に自信を持ってすすめたいです。
ちなみに、私が今日読み聞かせた7歳の女の子は、「ぜったいに最後のプレゼントが一番いい!」と言っていました。
わくわくドキドキが詰まった「わすれられないクリスマス」、読んでみてください。今年もクリスマスが楽しみになります。(絵本好きベビーシッター猫さん 20代・東京都 )
【情報提供・絵本ナビ】