普通選挙の幕開け

フランスの先駆けと試練

拓殖大学 芦書房
永井良和　

• 価格: 3,080円（本体2,800円＋税）
• 発行年月: 2007年10月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784755612084

内容情報

[BOOKデータベースより]

１８４８年、普通選挙で世界に先駆けたフランスの民衆は理想社会の実現という壮大な夢を描いたが、それは空しい夢となった。大統領にはルイ＝ナポレオン・ボナパルトが選出され、議会は選挙改悪へと傾斜し、そして大統領自身がクー・デタを決行する。普通選挙は重大な試練に直面した。普通選挙が導入されてから、第二共和政と第二帝政を通して、フランス国民は選挙の「主役」になるどころか、むしろそれに絶えず翻弄された。世界初の普通選挙その実態と動向を解明する。

第１章　熱狂から驚愕へ―一八四八年（予期せぬ出来事；普通選挙の制度化；普通選挙に託された夢；有権者への働きかけ；投票行動の実態とその結果；補欠選挙の暗影；憲法論議の紛糾；大統領選挙お衝撃）
第２章　共和政の暗転―選挙改悪への下り坂（二大党派の対決；普通選挙の歪曲；大統領によるクー・デタと人民投票；共和政の形骸化；帝政の復活へ向けて）
第３章　試練の時期―第二帝政下の選挙（繰り上げ解散と総選挙；政府批判の広がり；選挙干渉と利益誘導の実態；選挙運動と投票参加の拡大；政治的「自由化」の影響；政府公認候補制の機能不全；最後の人民投票；帝政の終焉とその背景）

[日販商品データベースより]

世界初の普通選挙が始まった第二共和制から第二帝政の終焉までを取り上げ、選挙と有権者の投票行動を分析することで、世界初の普通選挙の実態と動向を解明する。フランス近代政治史解釈に新たな一石を投じる書。