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[BOOKデータベースより]
東アジア問題の過去‐現在‐未来を根底から捉える広大な視野とその学問的良心の源泉に学ぶ。大陸・半島・列島の応酬を解く鍵、『資本論』に対応する「権力論」、『オリエンタル・デスポティズム』再読のすすめ。
第1章 今なぜウィットフォーゲルなのか?(ウィットフォーゲルに対する歪曲・中傷;ウィットフォーゲル再評価の契機)
[日販商品データベースより]第2章 ウィットフォーゲル理論の到達点(風土と文明;文明の類型;単一中心性と多数中心性)
第3章 ウィットフォーゲルの学問の展開(1)―『中国の経済と社会』まで(青年時代;ドイツ共産党員として;歴史像とマックス・ウェーバー;ドイツ共産党の転換と中国革命;「アジア的生産様式」)
第4章 ウィットフォーゲルの学問の展開(2)―『オリエンタル・デスポティズム』まで(共産党の拘束衣のなかで;ファシズムとの闘い;アメリカに定住;共産党との決別と研究の進展;ロシアとスターリニズム;ロシアへのアプローチ;激浪のなかでの理論的確立)
第5章 ウィットフォーゲル理論の残したもの(梅棹とラティモア;イデオロギーの役割)
文明の相互関係、東アジアの未来を解読する鍵。
半世紀を経て、その現代的意義を新たに掘り起す。
ロシア、中国、北朝鮮はわが国に近接・影響するところが多い国であるが、知識人学者の研究姿勢は事なかれの及び腰がなお一般的なようだ。もはや社会主義と美化するツワモノはいなくなったが、この用語との関係をきっぱり切断する勇気はないようである。
この問題に対して整然と理論的に東洋的専制主義を唱え分析したのはK・A・ウィットフォーゲルであった。しかし日本のみならず世界の知識人学者の反応は批判というより罵倒で、これによって彼は乱暴に学界から追放されたのである。
ようやく1989年以降のソ連圏崩壊以後、主著『オリエンタル・デスポティズム』が読まれるようになり、ウルメンの詳細な伝記も出版されるようになった。ウィットフォーゲルの仕事は、さらに広く文明の相互関係を中心・周辺・亜周辺の三重構造にまで突きつめ、東アジアの大陸・半島・列島間の応酬を解く鍵をも提供しているのである。