- 異体字の世界
-
旧字・俗字・略字の漢字百科
河出文庫 こ10ー1
- 価格
- 704円(本体640円+税)
- 発行年月
- 2007年07月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784309408576

ユーザーレビュー (1件、平均スコア:3)
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
-
紺碧の空
-
異体字の謎、、、なるほど!
読んで字の如き書籍です。
異体字について、語る語る。
そもそも自分も不思議に思っていました。
たまたま手元にある昭和十一年発行「國譯一切經」(大東出版社)を見ると字が違う違う。単に「國」と「国」というような旧字体と新字体というだけでなく、例えば、昔の岩波文庫の三国志では「関羽」の「羽」を「栩(とち」という字の旁のようにかきます(「関」も「關」)。
再び「一切経」に目をやれば、今と漢字がまったく違います。
”しんにょう”は点が二つ(「迯」のように)、「者」には点が一つ(「偖」の旁のように)。示偏は「?」とかきます。旧字は単に難しいだけ、というだけではなく、そもそも・・・、ということが本書には書かれています。
点二つのしんにょうは活字としての形をよくするため、とかJISはあくまでも工業規格なので手で書く文字とはまったく(用途等が)異なる、ということなど、実際に実務に関わった人間しか分からないような裏話が書かれていて興味深いです。
[BOOKデータベースより]
異体字とは、正字、俗字、古字、別体、譌字、略字などの総称。常用漢字がどのように決まり、人名用漢字などでいつも混乱しているのは何が原因なのか。印刷文字の変遷から、現代のケータイやパソコンの文字まで、最近の漢字騒動も含めて異形の文字たちをめぐる奥深く驚きに満ちた初めての本。
第1章 異形の文字たち
第2章 日本の正字ができるまで
第3章 人名異体字の憂鬱
第4章 拡張新字体の黄昏
第5章 旧字は意外と新しい
附録 「かな」も異体字