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[BOOKデータベースより]
自然を数学的に解明する際にガリレオは様々な困難に直面した。その研究上の歩みは、迷路の中を彷徨うものであり、ガリレオを長い間捉えていた。これが「第1の迷宮」である。本書はガリレオ運動論の形成過程を歴史的に再構成することで、その迷宮の構造を解明する。また近代科学的な世界理解の基本様式は、現代の我々をも捉えている。その創設者の一人がガリレオであったという意味では、近代科学そのものが「第2の迷宮」となる。
第1章 ガリレオ運動論の発展段階―分析方法と本書の構成
[日販商品データベースより]第2章 迷宮への入口―1604年
第3章 迷宮の手前で―初期の研究(1590年〜1604年)
第4章 迷宮での彷徨1―前期の研究(1604年〜1610年)
第5章 迷宮での彷徨2―中期の研究(1610年〜1625年)
第6章 迷宮からの脱出―1625年頃
第7章 迷宮を後にして―後期の研究(1625年〜1638年)
第8章 残された問い―晩期の研究(1638年〜1642年)
第9章 ガリレオ運動論の方法―その歴史的意義と問題性
本書は、ガリレオ手稿72(『ガリレオ全集』に未収録の写本を含む)を、まったく新たな視点から徹底的に分析し、ガリレオの運動論形成過程について通説を覆す新説を提出した。
今日、「数理物理学」において自明視されている自然観や科学方法論がガリレオにおいてはじめて立ち現れてくる場面を詳しく分析した。「自然は数学の言語で書かれている」とのガリレオの名言の背後には「数学」と「自然学」の二つの学問を統合するという理念上の困難が隠れている。その困難を克服する歩みは、迷宮での彷徨になぞらえられる。
◆第60回毎日出版文化賞受賞(自然科学部門)◆
《選評》 村上陽一郎氏(第60回選考委員:国際基督教大学教授)
(2006年11月3日 毎日新聞朝刊より引用)
◇手探りの過程 丹念に
ガリレオは近代科学者として理解されることが多い。確かに彼の提唱したアイデアのいくつかは、後の物理学の考え方に連なる。しかし彼の頭脳が先人と全く異なる近代科学的なそれに切り替わっていたわけではなく、手探りの迷路を歩むが如き試行錯誤のなかで、時に科学的に見ての正解に辿りつき、時に過ちに陥ったりしていた事情を、丹念な文献の分析から明らかにした労作が本書である。
文献と一言で書いてしまったが、一応定本とされる「全集」がイタリアで編まれた際に、位置づけが不詳だったために、収録されなかったり、不完全な形でしか取り込まれなかったりした手稿がかなり残ってきた。それらに先鞭を付けた研究者も勿論すでにいるが、著者はそうした先行研究を批判的に継承しながら、独自の解釈を本書で打ち立てる。その意味で、本書の成果は文字通り国際的な性格のものである。こうした篤実な研究が生まれたことを、心から喜ぶと同時に、この困難な出版事情下にあって、本書のような書物に刊行の機会を与えられた書肆にも拍手を送りたい。