- はい、こちら国立天文台
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星空の電話相談室
新潮文庫 なー54ー1
- 価格
- 482円(本体438円+税)
- 発行年月
- 2005年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101205212
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【2019年08月発売】

ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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Tucker
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もしもし
普段、天文台に電話をかける事はしない(電話をかけた事がある人の方が少ないと思うが)ので、一体、どんな内容の質問があるのかが、まず興味があった。
流星群、日食などの天文現象についてのものや、学校の先生、研究者の問い合わせは想像できるが、それ以外は何があるのだろう。
一番、多いのは「日の出、日の入り」の時刻。(特に初日の出)
「理科年表」に載っている内容なのだが、考えるより前に聞いてしまおう、という感じで聞いてくるらしい。
本書の発行は2005年。ネットが今ほど身近ではなかった頃だが、こういう人は、今でも掃いて捨てるほどいるだろう。
少し意外な感じがしたのは、最も回答に困るのが、「マスコミからの天文現象に関する問い合わせ」だという点。
何が困るか、というと「条件がハッキリせず、要領を得ない」から。
例えば、日食ひとつにしても、必ず聞かれるのは
「前回、起きたのはいつか?」
「次に起きるのはいつか?」
という点。
要領を得ない、というのは「日食」が「皆既日食」だけか、「部分日食」も含めるのか、観測できるのが世界のどこでもいいのか、日本から見えるもののみか等、いろいろ条件があるのだが、それらを省略して、質問するケースが非常に多いそうだ。
人に質問する機会の多いマスコミが科学に対して、訓練されていないのか、「同族」であるからアラが目立つのか。
ふとノーベル賞に関連した誤報騒ぎを思い出した。
そして、やはりいる「困った人々」
天文現象は人間の都合で変更できるわけでもないのに、「こうあるべきだ」と演説する人。
中には、天文とは全く関係ないことで電話をかけている人もいるらしい。
こういう人達も相手にしなければならない、広報普及室。
その苦労がしのばれる。
[BOOKデータベースより]
「今日の日の入りは何時ですか?」「金星と木星はどちらが明るいんでしょうか?」「月が見えなくて、困っているんですけど」…。宿題を抱える子供の相談から、“ワケあり”の人達の珍問奇問まで、年間一万件を超える天文台への問い合わせ。真摯に対応する広報マンの奮闘を描く。見えない相手とのやり取りに、様々なドラマが見えてくる。夜空に関するウンチクも満載。
天文台の電話番
日の出、日の入り
夕暮れの木星、金星の接近
国立天文台と広報普及室
二〇〇〇年、うるう年と二一世紀
七夕祭り
電話当番の学生
春分の日
ある日の広報普及室
参考文献類
マスコミの電話取材
午前十二時?午後十二時?
サーターアンダギー
失敗
公報普及室のこれまで
電話の大混雑
月に関してのいろいろ
旧暦と年号
答えたくない質問
天文学者になりたい
苦労する質問
困った人々
天体の名前
スリランカからの手紙
理科教育と天文学