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[BOOKデータベースより]
精神病院やクリニックの一室で重篤な精神病者と向かい合って「永遠に続くかのような過酷な冬」を共に過ごしている心理療法家たち。クライエントたちの暗い影と闇の部分を否応なしに引き受けて、ともすれば自分が壊れかねない治療の日々の実際のケースを踏まえながら、心理療法を職業として成り立たせ、仕事として確立していくために何が問題なのかを問い続ける若い臨床家たちの実践的提言。
仕事としての心理療法
本当の自己を抱えること―ある境界例女性との心理療法過程と治療者の逆転移
治療者が自分の空想に想いを巡らすこと―二人の女性患者への逆転移から
「とどまること」そして「あきらめること」―自分のあり方に漠然とした悩みを抱えた二十代女性との心理療法
患者と心理療法家の焦り・怒り・無力感の相互体験―共感に失敗し、心理療法が中断した事例をめぐって
「良い治療者」を演じようとすること―「良い母親」であろうとする女性との面接を通して
抜け出る道を捜すこと・自分の力を獲得すること―吃音を症状とする男児の遊戯療法から
来談者が心理療法家に求めるもの、心理療法家が応えようとするもの―摂食障害の女性との心理療法における「土俵作り」
混沌とした心の世界とのかかわり―「私の世界が崩れちゃいそうで怖い」という少女への心理療法
破壊されずにかかわること―皆が辟易する患者との心理療法をとおして〔ほか〕