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[BOOKデータベースより]
危機的状況にある現代の人間形成の問題を、主体や個人の側からでなく、「関係」というパースペクティヴから見ると、どのような地平が開かれるのだろうか。これが、本書の主題である。本書は、人間形成の根幹にかかわる「関係」の問題を、学会シンポジウムでの議論をふまえて再考し、新たに書き下ろしたものである。6章構成において、教育哲学、教育史学、人間学、教育方法学などの立場からの多彩なアプローチが試みられる。すなわち、人間形成や子どもの成長の問題を、「関係論的な視座」から捉え直すことで、従来は見えにくかった「教育関係」の危機的様相が顕わにされる。さらにその克服に向けた手がかりが探求される。読者は、多くの困難を抱える現在の教育の問題を、「関係」というパースペクティヴから見直すことで、これまでとは全く異なった新しい視界を開く鍵を与えられるであろう。
序章 人間形成における「関係」の解読―経験・ミメーシス・他者
第1章 教育関係の誤認と“教育的無意識”
第2章 教育的世界のなかにある孤独
第3章 人間中心主義関係論の転倒―逆擬人法の教育人間学
第4章 教育関係の破綻と修復―子どもの変容を中心にして
終章 学びにおける教育者との適切な「関係」―シュタイナー幼児教育を中心に