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[BOOKデータベースより]
人はなぜ作るのか。大量生産、複製技術の時代にあって、人は作ることによって何を求め、何を経験しようとしているのだろうか。本書は、民芸運動の指導者として神話化されてきた柳宗悦の言説を歴史的に検証しながら、「手としての人間」像に収斂した彼の創作理念の現代における思想的可能性を探り出そうとする。「手としての人間」の反復的な受動性において、「原像」を越えて立ち現われるかたちの生成、そこに蘇生する素材の自然や固有な場所と歴史、さらに制作の共同性。そうした人間存在の根本的な可能性への開けとして、著者は柳宗悦の創作思想を解体=再構成し、すべての制作が目的と手段の無限連鎖の中に絡めとられてしまった現代における作ること固有の意味の救済を試みる。
第1章 或る朝鮮との出会い
[日販商品データベースより]第2章 『白樺』派と柳宗悦
第3章 思想の撓み
第4章 民芸運動の時代
第5章 有用性の蝕のなかの柳宗悦
第6章 作ることの別な在り方に寄せて
創造行為を個人主義的理念から、自然と大地のもとへ解放した民芸運動創始者の芸術思想の展開を歴史的に辿りながら、現代社会におけるオルタナティヴな創作の可能性として再評価する。