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[BOOKデータベースより]
平安期の日記文学や物語に“他者”“女”“家”“ミヤコ”“原郷”等はどのように描かれているのか。文化的アイデンティティの形成と古典文学・日本文化論との関係を視野に入れながら、「自己言及」の可能性と限界をさぐる。
序章 自己言及テキストの意義と、その基礎づけ(オリエント幻想のなかの「平安文学」)
第1章 “ヒナ”と“ミヤコ”の狭間で(さすらいの旅の果て―『土佐日記』に見る音声中心主義と、その行方;ふるさとから遠く離れて―『更級日記』における“ミヤコ”と“ヒナ”)
第2章 テキストの“内”と“外”(啓蒙的理性の衰え、もしくは女房集団の文学―「女流日記文学」から「女房日記」へ;テキストの“内”と“外”―蛍巻「物語論」における、自己言及のパラドクス)
第3章 二つのテキストと、一つの自己像(囲い込まれ、横領される“女”の言説―『無名草子』のトポロジー;夭折の貴公子へのレクイエム―「モデル小説」としての『松浦宮物語』)