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[BOOKデータベースより]
労働価値論とは、商品のねうちはそれをつくるのに必要な労働の分量によってきまる、というものである。ひと言につづめていえばじつに簡単な内容のようだが、これを現実の具体的な事実のなかへひき移して考えようとすると、なかなか厄介なところがある。というのは、労働価値論が対象としている最後の本番は、複雑に発達した現代の資本主義商品そのものでなければならないからだ。本書は、価値論にたいして正統な筋の通った、十分にわかる説明を試みたものである。
第1部 正統労働価値論のままでわかる(商品と価値法則;資本と価値法則)
第2部 反論を駁す(複雑労働の還元に先だって複雑労働力の価値を前提するのは、矛盾していないか;複雑労働の還元に先だって均等な平均剰余価値率を前提するのは、矛盾していないか;単純商品生産社会での労働還元に、労働力の価値や平均剰余価値率はもちだせないはずだが? ほか)
第3部 異論の吟味(杉本栄一氏の“名著”がおかした大ぽか(生産力還元論);安部隆一・白杉庄一郎氏もおかしていた、杉本説と同根の誤り(生産力還元論);荒又重雄氏の「試論的解明」によろめくのは禁物 ほか)