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[BOOKデータベースより]
この本に登場する十三人の詩人は、「読売文学賞」を受賞して天寿をまっとうした詩人を除き、二十代の終りに余命一年という胃癌の宣告を受けた女性詩人をはじめ、病苦に犯されたり、首を吊り手首を切って自殺したりしたひとばかりだ。志なかばで倒れた薄幸な詩人たちの苛酷な生きざま書きざまを辿りながら、著者はあたかも布教師のように、死後なおよみがえる不屈の詩的生命を説いてやまない。異色の詩人論。
永塚幸司―私は船乗りやピアニストであるべきだった
清水正一―錆庖丁一本研イデマンネリズムヲ断ツ
天野忠―みえない座蒲団の上で
瀬沼孝彰―大切なことは寒い時にどう歩くかではないでしょうか
相良平八郎―書けなくても書くんですのたうちまわって書くのです
氷見敦子―ブランド詩を蹴ちらし蹴ちらし
長岡三夫―田舎の親父東京へ来るな
南信雄―桶じゃないんだからタガなんかはずせ
谷沢辿―出不精で口下手で悪筆で下し立ての下し金のように引っかかり
征矢泰子―のんべえだった。わがままだった。やさしかった。
本多利通―詩を書くという行為は死の予行演習である
寺島珠雄―アウトサイダーだろうとミツヤサイダーだろうと
佐藤泰志―揚げは揚げわかめはわかめの味がした