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[BOOKデータベースより]
「筑紫の坊主はどれぞ」―天正15年(1587)、大坂城内での秀吉への初拝眉が、博多の若き豪商茶人・神屋宗湛の修羅の始まりだった。天下統一を目前にして、秀吉の目はすでに朝鮮、明へと向けられていた。出兵の拠点となるべき博多は過去の戦乱で壊滅。宗湛はこれを機に秀吉の庇護の下、町の復興を目論む。だが、それ―博多の軍事基地化は、同時に巨利を生む外洋交易を閉ざすことでもあった。出兵回避を画策する博多商人衆は、秀吉を制するべく茶聖千利休に近づく。だが利休には思いもかけぬ運命が待ち構えていた…。様々な思惑の交錯する茶室の中で、変転する時代の幻を見つめた宗湛が、「茶会記」の行間に記したものとは?絢爛たる桃山の闇に挑んだ、著者渾身の歴史ロマン巨編。