- 在庫状況:出版社よりお取り寄せ(1週間程度で出荷)
- 新編東洋的な見方
-
- 価格
- 1,155円(本体1,050円+税)
- 発行年月
- 1997年04月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784003332320
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 西田幾多郎哲学論集 2
-
価格:1,177円(本体1,070円+税)
【1995年12月発売】
- 西田幾多郎哲学論集 3
-
価格:1,287円(本体1,170円+税)
【1989年12月発売】
- えんぴつで論語
-
価格:1,047円(本体952円+税)
【2013年03月発売】
ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
- 紺碧の空
-
大拙の慧眼
自分でも名前を知っていたくらいの禅の大家・鈴木大拙の晩年の文章を集めた文庫本です。「一は全、全は一」とはどこかの漫画に出てきたフレーズですが、まさにこのフレーズを”生きた”人が鈴木大拙でした。
明治初期の生まれながら27歳から10年間を米国で暮らし、アメリカ人女性と結婚。そこでの体験を自分のものとしながら禅の道を進み進んだ。
大拙が説くのは二元性を超越した一元性。
二元性はもとより西洋の十八番。
神は原初に光と闇を分けた。そこから西洋は始まる。
これが突き進んで科学となり、哲学となり、現在がある。
人間の社会性も他との比較という相対的な指標が重要である。
だから大拙は日本人はここをもっと学ぶべきだと力説する。
しかしながら、そこから先は東洋の出番となる。
二元性には限界がある。物事を二分していってもきりがない。
数の不連続性とはよく言ったものだが、そこで東洋思想が出てくる。
神が世界を分ける前の、道教で言うところの「玄」は東洋に特有の考え方で、西洋はこの部分を考えない、と大拙はいう。
二元性の限界の先に一元性(ここで言う”一”は「1、2、3〜」の一ではなく、2以降が存在しない絶対的な一)を考えることにより、世界をさらに進化させることが出来るのではないか、と大拙は考える。
大拙の慧眼には目を見張るばかり。
1950年前後に書かれたとは思えないような日本人の欠点、これからの日本への不安。まさにいまの不安な現代を言い当てている。そして、世界をどうしたらいいのか、これはそのままわれわれが抱えている現在の世界の問題と一致する。
これはまた、経験を積んで読み返さなければならない本だと強く感じた。
[BOOKデータベースより]
鈴木大拙(1870‐1966)の最晩年―驚くべし、90歳前後―に書かれた思想的エッセイを収録した『東洋的な見方』を中心に、同時期の好文章を加えて再編成。世界にとって失われてはならない東洋の「よきもの」とは何か―文字通り世界に出て西洋を自らの生活世界とした著者が、身をもって探求しつつ生きたそのドキュメント。
東洋文化の根柢にあるもの
東洋的見方
東洋「哲学」について
禅と漢文学
東西雑感
自由・空・只今
このままということ
妙
現代世界と禅の精神
創造の自由―『荘子』の一節〔ほか〕