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伝説の漫画家・つげ義春の足跡を、一冊に濃縮した短篇集
▼第1話/ねじ式▼第2話/沼▼第3話/チーコ▼第4話/初茸がり▼第5話/山椒魚▼第6話/峠の犬▼第7話/噂の武士▼第8話/オンドル小屋▼第9話/ゲンセンカン主人▼第10話/長八の宿▼第11話/大場電気鍍金工業所▼第12話/ヨシボーの犯罪▼第13話/少年▼第14話/ある無名作家 ●あらすじ/1間の狭苦しいアパートに住む夫婦。売れない漫画家の夫を、ホステスをする妻が養っている。その妻がある日、夫に向かって「文鳥が飼いたい」と言い出した。夫は渋るが、お金まで用意していた妻に押され、彼らは連れだって文鳥を買いに行く。いつしか「チーコ」と名付けられたその文鳥は、しだいに夫にも可愛がられるようになっていた。そんなある日、夫は遊んでいる最中に、誤ってチーコを床にたたき付け、死なせてしまう(第3話)。▼温泉にやってきた武士・平田は、泊まった宿で相部屋を言い渡される。部屋に入ってきた男は異相の持ち主であり、かつ何気ない動作にもすきがなく、平田の目にはいっぱしの武芸者と映った。その後も平田は彼の振る舞いを観察し続け、確信をもって「彼は宮本武蔵である」と宿の主人に告げる。主人がそのことを触れ回った結果、宿にはたちまち近所から客が押し寄せ、超満員となったのだが…(第7話)。▼漫画家をしている安井のもとに、かつてアシスタントをしていたときの同僚・奥田が訪ねてきた。彼はアシスタントの仕事では自己表現ができないと考え、安井と入れ違いのように辞めてしまっていたのだ。しかしその後もつきあいは細々と続き、その間に奥田はバーテンを経由して、挙句にトルコ嬢のひもに成り下がっていた(第14話)。 ●その他DATA/解説・佐野史郎
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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「3 SPECIAL BOOKS」レビューコメント
【その他】 子どもの頃、祖母のところに遊びに行くと、必ず何冊かのマンガ本が用意されていました。そこらに捨ててあるのを祖母が拾ってきていたのです。ただ祖母は、拾う本について、それがマンガであるということ以上の関心を抱かなかったため、期せずしていかがわしい成人マンガの類が紛れ込んでいることもありました。悪夢のような不条理世界をエロティックに描いたこの『ねじ式』もまた、子どもが読むにはどう考えてもふさわしくないマンガですが、僕はわずか8歳にして、祖母の手引きでこの作品と引き合わされてしまったのです。それが、その後の僕が進むべき方向を、軽く60度くらいは変えてしまった------今でもそう思っています。
子どもの頃、祖母のところに遊びに行くと、必ず何冊かのマンガ本が用意されていました。そこらに捨ててあるのを祖母が拾ってきていたのです。ただ祖母は、拾う本について、それがマンガであるということ以上の関心を抱かなかったため、期せずしていかがわしい成人マンガの類が紛れ込んでいることもありました。悪夢のような不条理世界をエロティックに描いたこの『ねじ式』もまた、子どもが読むにはどう考えてもふさわしくないマンガですが、僕はわずか8歳にして、祖母の手引きでこの作品と引き合わされてしまったのです。それが、その後の僕が進むべき方向を、軽く60度くらいは変えてしまった------今でもそう思っています。
平山瑞穂/作家
3 SPECIAL BOOKS掲載日:2012/10/25
【情報提供・3 SPECIAL BOOKS】