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[BOOKデータベースより]
幕臣として軍艦頭取を勤め、幕府瓦解後榎本武揚とともに軍艦を率いて函館に奔り、五稜郭に奮戦したが、陥落投降、赦されて開拓使に出仕し、北海道の測量、農学校の設立、女子教育の促進に尽力した。また内務省地理局に転じ、メートル法の導入、経度の決定、日食観測を行い、初代中央気象台長となるなど、近代日本の自然科学の基礎を築いた科学者の業績と生涯を描く。
第1 はじめに(湯島の組屋敷に誕生;父祖の足跡;父清兵衛)
第2 武家の教育をうけて(漢籍の素読;武芸の稽古;叔父宅に寓居;武芸学問の吟味)
第3 幕府に出仕して(御番入の年;洋学の学習;軍艦操練所に入所;江戸湾の測量;外洋の航海;家督の相続;旗艦の船将;講武所に勤務;太田村陣屋の伝習;薩摩屋敷襲撃事件)
第4 戊辰戦争のなかで(幕末の幕府陸海軍;江戸湾脱走;艦隊の北進;咸臨と美嘉保の遭難;蝦夷に新天地を模索;宮古湾海戦;箱館戦争;辰之口糾問所)
第5 開拓使出仕のころ(出獄再出仕;仮学校と女学校;幕末維新の英語事情;荒井郁之助編『英和対訳辞書』;開拓と測量;北海道三角測量;河川と港湾の測量;金星観測の天覧;開拓使辞任)
第6 科学の普及につとめて(科学雑誌の創刊;『中外工業新報』;科学技術書の翻訳紹介;翻訳書『地理論略』;数学の教科書『測量新書』;所在不明の『煉工全書』)
第7 地理局のころ(内務省地理局へ奉職;大三角測量の確立;メートル法の導入;創設期の学会に参加;東京地学協会で活躍;経度の決定;標準時の制定;日食観測の成功;気象の事業と学会の創設;再刊『気象集誌』)
第8 官職を退いて(地理局を勇退;気球と伝書鳩;造船事業の創設;回天丸の思い出)
第9 かえりみて(人物像;時代にさきがけて)