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[BOOKデータベースより]
きまじめな日本人には、不真面目な中国人が理解しがたい。中国知識人の苦悩の真相を識ることで、そのカラクリは見事に解ける。革命家を父に持つ著者が語る中国人の実像。
プロローグ 多国籍人間のルーツ中国をみる目
1 もう科挙の時代にはもどれない(政治の舞台に飛び出した中国の新人類;専制より怖い人格の一部になりきっている悪習;対話と公開書簡のタブーを破った方励之;魯迅に次いで悪習と専制に挑む;金儲けに取り残された知識人―市場経済原理の導入;世界に冠たる中国コネクション ほか)
2 知識人の中国性とは―留学生の行方(留学とは亡命だった;革命と結びついた清朝時代の日本への留学;孫文の身を守った“姿三四郎”;軍閥は武器だけしか近代化できなかった;大学近代化で民主自由の芽をつくった蔡元培;五四運動の火ぶたを切った学生三千人 ほか)
3 知識抑圧的な大学の出現(政治優先、労働重視だと知識人が冷遇される不思議;少数エリート養成の重点大学;学生も教授も大学構内に住む―学長は首長なみ;狙いは専門バカをつくることか;大学の外は奥地から流れてきた浮浪者が溢れる)
4 留学―家族の期待をになって国外脱出(外国への道―手当たり次代の依頼状;留学生の区分と格差;官費留学資金が3分の1に―欠かせないコネと金;中国的頼みごと―ある私費留学生の場合;もう一人の私費留学生の孤独な戦い―出国記 ほか)
5 難民しない人たち(隣人としての悩み―日本への提言;中国的体質に挑戦的な“民主の女神”;知識人狩りはつづく;これからのウアルカイシや厳家其;「パンはよく噛んで食べるもの、物事は全てゆっくり良くなるもの」)