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[BOOKデータベースより]
芥川の自殺、プロレタリア文学の爆発的なひろがり、川端、横光ら新感覚派の登場…。いずれも昭和の到来ともに一斉におきた出来事であった。それから60年余り、戦争・敗戦をへて、日本が経済大国への道をひた走るなか、日本文学はなにを生みだしたか。本書に登場する数多くの作品が、昭和の時代の日本の現実をなまなましく語りかける。近代日本の課題を、文学の歩みから浮きぼりしにした力作。
第1章 前史―昭和文学を準備したもの(芥川龍之介の自裁は何を語るか;第1次世界大戦後の社会と文学;『種蒔く人』の創刊;既成文学観念の動揺と混乱;昭和文学への幕開け)
第2章 昭和文学〈戦前〉の光と影―戦争拡大・ファシズムと文学(プロレタリア文学運動を軸として;新感覚派から新興芸術派→新社会派文学への道において;既成リアリズム文学の歩み;“光”の具体的相貌と“影”)
第3章 戦時下の荒廃と抵抗(プロレタリア文学の退潮と日本文学の荒廃への道;『日本浪漫派』と〈近代の超克〉)
第4章 昭和文学の戦後(出発の原点;作品の現実;戦後文学論争―天皇制・戦争責任論と「政治と文学」論争;60年安保闘争と文学;80年代の昭和文学)