[BOOKデータベースより]
丘のいただきにそびえる大きな城に、少年がひとりで住んでいました。その城には、昔はたくさんの人たちが暮らしていたのです。しかしある日、みんなは忽然と姿を消してしまいました。秋のある夜、そんなひとりぼっちの少年の住む城の庭に、芸を見せて生活する放浪者たちがやって来ました。無人の城だと勘違いをした彼らは、たくさんのテントを張って、賑やかな音楽をかなではじめます。ただ少年は、彼らの前に姿を現す気はありませんでした。でも深夜に城の大広間で踊りの練習をしているひとりのロマニーの少女を見た少年の心の中に、ある感情がめばえます。それは―?ひとつの場所にしばられた少年と流浪の少女がつむぐ、永遠の愛の物語。
[日販商品データベースより]たった一人で城に暮らしていた少年と放浪者の少女が織りなす、美しくも優しくて残酷な吸血鬼の物語。菊地秀行&Naffyの感動絵本。
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価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2020年03月発売】
丘のいただきにそびえる、おおきな城。そこには、少年がひとりきりで暮らしていました。かつては少年といっしょに、大勢の人々が暮らしていたはずなのですが——ある秋の夜、城を無人と思った旅一座が、城で夜を明かすことに。姿を隠したままやり過ごそうと考えていた少年ですが、一座にいた踊り子の少女に、目を奪われます。翌日、城の一番高い塔で、一座の向かった村をうかがっていた少年は、あの少女が鳴らすカスタネットの音を聞いて、いてもたってもいられなくなってしまいます。そして少年は、塔から飛び立つのです。その姿を、人とは違うものに変えながら——幻想的な世界観で描かれる、人ならざる愛の物語!著者は、「魔界都市」シリーズや「吸血鬼ハンターD」シリーズで知られる、作家の菊地秀行さん。妖しくも美しい世界観で知られる菊池秀行さんですが、本作もまたそうした雰囲気の一冊です。“赤いジュース”を飲み交わし、月光の下で踊る城の人々。自分が誰で、なぜ城にいるのかもわからない、孤独な少年。少年と城にまつわるそうした謎の数々が、どこか不気味ながらも幻想的な物語として、本作を演出しています。また、その顔を一目見ただけで村の娘たちが魅了される、美しい容姿の青年剣士が登場するのですが——著者のファンなら、ニヤリとさせられるところ!そんな幻想的な世界に絵で命を吹き込むのが、新進気鋭の絵本作家でイラストレーター、Naffyさん。淡く、霧にけぶるような景色の中で、深い漆黒と、血のように鮮やかな赤とが、印象的に画面を飾ります。これが、絵と物語の作者が別人だということを、疑わしく感じさせるほど世界観にマッチ!どのページをひらいても、それ一枚で、背景にある世界の広がりを感じさせる物語性にあふれています。さて、村祭の場へと天から降り立った少年は、立ちすくむ少女の手を取り、その腰に手をあてがいます。「そんなダンス、あたし踊れません」「僕の動きに合わせて踊りたまえ。美しいものは、すぐ身につく。あらゆる生き物は、そういう風にできている」少女と少年が手を取り合ってワルツを踊り、祭りが万雷の拍手に包まれたとき——少年を指差して叫ぶ声が、少年自身も知らなかった彼の秘密を、あばくのです。絵と物語の奇跡的な出会いが描きだす、永遠の愛についての物語!
(絵本ナビ編集部 堀井拓馬)
丘の頂に、大きな城がありました。
その城には十歳くらいの少年が一人で住んでいましたが、彼は、自分が誰なのか、なぜ城にいるのか分かりませんでした。
たくさんの人と暮らしていた記憶はあります。
ですが、少年はいつも、自分は「みなと違う」と感じていました。
長い長い文章の、どちらかと言えば童話のような絵本です。
ある程度の読解力が必要なので、小さなお子さんには難しいと感じます。
小学校高学年以上のお子さんなら、楽しめそうです。(めむたんさん 40代・広島県 男の子20歳)
【情報提供・絵本ナビ】