- きつね
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- 価格
- 1,870円(本体1,700円+税)
- 発行年月
- 2005年02月
- 判型
- A4
- ISBN
- 9784477018423
内容情報
[BOOKデータベースより]
[BOOKデータベースより]
月夜に七人の子どもが歩いておりました。大きい子どもも小さい子どももまじっておりました。月は、上からてらしておりました。子どもたちのかげは短く地べたにうつりました。子どもたちはじぶんじぶんのかげをみて、ずいぶん大頭で、足が短いなあと思いました。そこで、おかしくなって、わらい出す子もありました。あまりかっこうがよくないので二三歩はしってみる子もありました。こんな月夜には、子どもたちはなにかゆめみたいなことを考えがちでありました。
[日販商品データベースより]南吉童話の名作に、5人の女性画家がさわやかな風をふきこんだシリーズ。本書では「きつね」を収録。祭りの晩、げたを買いに行った文六は、おばあさんに「晩に新しいげたをおろすと狐がつく」と脅かされ…。
晩げに新しい下駄をおろしてしまったばっかりに、狐にとり憑かれてしまったのではないかと、友達から疑われ、怖がられてしまう文六ちゃんが、子どもはとてもかわいそうに感じていました。
怖がられている文六ちゃんの気持ちも、怖がっているほうの子どもたちの気持ちもよく書かれています。
絵が漫画っぽくないところがいいと思いました。甘えん坊の文六ちゃんが「狐になったらどうしよう」と不安に思っている様子がとてもよく描かれていますし、文六ちゃんが、お母さんにしがみついて大泣きしている顔は、つられて泣けてきてしまいます。田舎っぽいほのぼのとした風景も素敵です。
文六ちゃんのお話を丁寧に聞いてあげているお母さんは、ぜひ見習いたいところです。あまりにも丁寧に真面目に答えすぎて、不安を取り除いたと思いきや、結果、ますます文六ちゃんを不安にさせて泣かせてしまいましたが、お母さんの深い愛情を感じずにいられません。子どもは、文六ちゃんのお母さんのとにかく優しい言葉を聞いて、安心するみたいです。
ちなみに、もし自分が狐になったらどうしてほしいかを子どもにきいたところ、「飼って」といわれました(汗)。(レースさん 30代・愛知県 男の子8歳、男の子5歳)
【情報提供・絵本ナビ】