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- 隆家卿のさがな姫
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- 価格
- 770円(本体700円+税)
- 発行年月
- 2022年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784286237091
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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- ちきんのりこ
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平安荒くれヤンキーおじさんが奔走する、娘の婿取り大作戦!
「藤原隆家(たかいえ)…?知らん…誰それ…」結論から言えばとても面白く、最後はホロリとくる、そんなお話でした。表紙で不敵にニヤついてるおじさん、隆家なんですが、道長と権力のペンテツ争って競り負けたお兄ちゃんの息子で、歴史上ではいわゆる敗者側の人、なんですね。ですが作中そんな悲壮感は全くなし。むしろ道長(表紙の禿げ頭さんですね)のほうが全然「もちづかせて」もらえてない。「隆家何なんあいつ…俺どうしたらいいん…」って超ぴえんしてる。隆家はとにかく何かにつけて「ケンカしようや」とばかりにまあやらかしてくる。もはや可哀想なのはどちらなのか。
そして表紙でほほ笑むかわいこちゃん、この子が「隆家卿のさがな姫」、つまり娘というわけです。「さがな」とは「性(さが)無きもの」=超ヤベーやつと呼ばれたお父ちゃんにちなんでるんですね。この姫ちゃんが──────ヤバい。とにかくヤバい。何もなくても寝込んでる、何かあればすぐぶっ倒れる病弱体質でありながら、口と剣幕でやんちゃなパパを圧倒するとんでもない姫です。単身赴任先(大宰府)から帰ってきた父に会うなり、「あんたのせいでこっちは行き遅れてんだわ!私のことが可愛けりゃ何を置いてもまず婿連れてこいや!」とまあこうです。しかも言うだけ言ってぶっ倒れるし。こんなんパパ泣いちゃうよ。(まあ出張先で怒られるだけのことはしてたけど)
幼少のころから「后になる」と信じて疑わなかった娘に、いったいどんな男がいいというのか。ていうかこのヤンキー、ちゃんと婿探しできるのか。そして、望月おじさん道長とどんなケンカを繰り広げ、どんな形で決着するのか。今作もまた、歴史に詳しくないほうが楽しく読める(かもしれない)作品です。
ラストまで見届けた後、ぜひ表紙の絵を改めて見返してほしい。きっと切なさに胸を締め付けられることでしょう。残暑厳しいお盆休みのおともにぜひ。
[BOOKデータベースより]
目に入れても痛くないほど大切な娘の姫君に、「よくぞ帰り来たまいけるかな、こんのクソ親父がーっ!」と言われたのは、救国の英雄、藤原隆家。「誰に似たりや」とぼやけば、妻からは「殿にや」と呟かれる。時の権力者であり、叔父の道長のことなど微塵も恐れず、世間ではさがな者と評されている彼も、家では一人の父親だった。体は弱いが気が強い姫君の願いを叶えるべく、隆家が下した決断とは。宮中では自身の権大納言昇進、家では婿取り。その裏で渦巻くさまざまな思惑を蹴散らして、誰にも左右されない独立独歩の隆家をいきいきと描く平安歴史小説。
[日販商品データベースより]目に入れても痛くないほど大事な娘の姫君に、「よくぞ帰り来たまいけるかな、こんのクソ親父がーっ!」と言われたのは、救国の英雄、藤原隆家。「誰に似たりや」とぼやけば、妻からは「殿にや」と呟かれる。時の権力者である道長のことなど微塵も恐れず、世間ではさがな者と評されている彼も、家では一人の父親だった。体は弱いが気が強い姫君の願いを叶えるべく、隆家が下した決断とは。