- 草祭
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- 価格
- 649円(本体590円+税)
- 発行年月
- 2011年05月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101351315
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【2013年09月発売】

ユーザーレビュー (1件、平均スコア:3)
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sige
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幻想的
5つの短編からなるが、表題の作品はないという珍しい短編集だ。総称してタイトルを付けている。どの話も、住んでいる地域の奥の方の一歩先にある美しいところ“美奥”のお話。
ホラー作家ということだったが、“怪奇”とか“戦慄”という雰囲気はなく“幻想的”な作品だった。絵画で言うとシュルレアリスムの作品。それもダリとかではなく、先ごろ知った「ルネ・マグリット」の《大家族》のような雰囲気かな。鳩の中の青空なんか、“碧い玉の中の青空”に通じるような気配。
『けものはら』はゾワゾワする。『屋根猩猩』は心温まる。『くさゆめがたり』はちょっと残酷で悲しい。『天下(テンゲ)の宿』はちょっと怖いゲーム。『朝の朧町』は幻想的。
しかし、読み終わっても何となく印象が薄く輪郭がぼんやりしている感じ。この作家はもういいかな。
[BOOKデータベースより]
たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。理由も分らずたどりつく、この世界のひとつ奥にある美しい町“美奥”。母親から無理心中を強いられた少年、いじめの標的にされた少女、壮絶な結婚生活の終焉をむかえた女…。ふとした瞬間迷い込み、その土地に染みこんだ深い因果に触れた者だけが知る、生きる不思議、死ぬ不思議。神妙な命の流転を描く、圧倒的傑作。