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[BOOKデータベースより]
家族で帰省中の母親に突如襲いかかる、歯の根が合わないような寒気。初夏なのに、なぜ。幼い娘の奇妙な言葉の意味は?(「震々」)。渓流釣りの最中ふと見かけた、風景をかすませ、ゆるゆると移動する蚊柱のような何か。民宿の主人が話してくれた祖母の話とは…。(「ヤマンボウサマ」)。子どものころ神隠しに遭ったと噂の、近所にいたおじさん。夕暮れの道で少年が出会ったのは、土塊をむさぼるおじさんの異様な姿だった。(「ジコーさんのこと」)。自然公園で生き物観察中に夕立に遭遇し、四阿で休んでいると出会った、少年と白い犬が寄り添う微笑ましい姿。しかし奇妙なことに気づいてしまい…(「雨宿り」)。
[日販商品データベースより]桜祭りの帰り道に見た宙に浮く柔らかな光、川で投網を打っている人を襲った足元の砂の奇妙な動き、山道で「おおい、おおい」と呼びかけてくる声、憑物を籠めているという壺の秘密……不思議でどこか懐かしい短編集。