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- 江戸の花鳥画
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博物学をめぐる文化とその表象
講談社学術文庫 2412
- 価格
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 発行年月
- 2017年01月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062924122
[BOOKデータベースより]
花、草、虫、魚、鳥などを描く「博物図譜」は、長らく軽視されてきたジャンルである。しかし、色彩豊かで精密なその写実表現は見る者を惹きつけてやまない。本書は、江戸後期に大名や学者から庶民にまで及んだ動植物の生態への関心に注目し、博物図譜を科学と芸術の結節点として浮かび上がらせる。日本美術史研究の風景を一変させた記念碑的著作!
「花鳥画」研究への新たな光
第1部 自然と写生―博物学時代の到来
第2部 秋田蘭画新考
第3部 大名と狩野派
第4部 浮世絵花鳥版画の成立と展開
海を渡った禽鳥帖―西欧と江戸時代博物図譜
江戸後期に隆盛を迎えた「博物学」の思潮に注目し、それまで曖昧にしか捉えられてこなかった「花鳥画」に清新なまなざしをそそいだ意欲作、ついに文庫化。美術史と科学史の垣根を取り払い、個々の作品の精緻な分析から鮮やかに浮かび上がる新たな光景。サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞作。図版多数収録!
1995年度のサントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞した本書は、それまで注目されることのなかった花木や草木、動物、虫魚など、あらゆる生物を対象にした「花鳥画」と呼ばれるジャンルを取り上げる。
従来の「花鳥画」という概念には、色彩豊かで精密な写実的表現の絵画も、墨一色による水墨の技法による絵画もいっしょくたに含められていた。著者はここに一つの大胆な補助線を引いてみせる。そのとき注目されたのが、江戸後期に大名や学者から庶民に至るまで広がっていった動植物の生態への関心と、それゆえになされた飼育や栽培だった。その延長線上にあるのが、江戸時代の「博物学」の隆盛である。
著者は本書の冒頭でこう宣言する。「本書を「江戸の花鳥画」と題したのは、あらゆる動植物へ向けられた江戸の画家たちの視線を、当時の博物学隆盛の文化背景の中に再発見しようとする試みのためである。そしてまた科学と芸術が密接に連関しながら育む新しい思潮の中で、古来より描き続けられてきた「花鳥」画が、科学と芸術とが特に接近した江戸時代においていかなる様相を呈していたかを明らかにするためでもある」。
こうして本書は、それまで誰も思いつきすらしなかった視線を生み出し、「花鳥画」という言葉にまったく新しい意味を与えた。
現在、日本では博物図譜のジャンルは多くの人に知られ、たくさんの展覧会が開かれている。その大きな突破口を開いた記念碑的著作が、ついに文庫化。図版多数収録!
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従来の「花鳥画」という概念には、色彩豊かで精密な写実的表現の絵画も、墨一色による水墨の技法による絵画もいっしょくたに含められていた。著者はここに一つの大胆な補助線を引いてみせる。そのとき注目されたのが、江戸後期に大名や学者から庶民に至るまで広がっていった動植物の生態への関心と、それゆえになされた飼育や栽培だった。その延長線上にあるのが、江戸時代の「博物学」の隆盛である。
著者は本書の冒頭でこう宣言する。「本書を「江戸の花鳥画」と題したのは、あらゆる動植物へ向けられた江戸の画家たちの視線を、当時の博物学隆盛の文化背景の中に再発見しようとする試みのためである。そしてまた科学と芸術が密接に連関しながら育む新しい思潮の中で、古来より描き続けられてきた「花鳥」画が、科学と芸術とが特に接近した江戸時代においていかなる様相を呈していたかを明らかにするためでもある」。
こうして本書は、それまで誰も思いつきすらしなかった視線を生み出し、「花鳥画」という言葉にまったく新しい意味を与えた。
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