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特集・対談

エディターズガイド

ともにがんばりましょう
塩田武士
不況がなんだ。会社に希望の灯をともせ。「盤上のアルファ」「女神のタクト」と、エンタメ界最注目の新鋭が新聞社を退職して書いた、仕事と恋の物語。笑って泣いて、熱くなる、超リアル労働組合小説。
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花のさくら通り
荻原浩
不況にあえぐユニバーサル広告社。次なるクライアントは「さくら通り商店会」。最初はポスター制作だけのはずが、いつしかタッグを組み商店街の活性化を目指す…。一癖も二癖もある人々が織りなす、まちづくり小説。
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関連商品

大人になりきれない
平山瑞穂
見た目は立派な大人。でも、いまだに戸惑い多き青春を生きる彼らの未来は…。会社で働くちょっぴりイタイ人たち。あなたは本当に彼女たちのことを笑えるか。異才がシニカルに描く、働くアラサーたちの群像劇。
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会社員とは何者か?
伊井直行
源氏鶏太、山口瞳、絲山秋子、長嶋有、津村記久子、メルヴィルらの小説を俎上にあげ、「会社員」という言葉・存在に潜む謎に迫る。会社員小説から、独自の視点で展開する「会社員論」。
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東京タワ−が見えますか。
荻原浩
不況が続いても、賃金カットされても、見失ってはいけない大切な「心」がある。がんばる人たちに贈る小さな幸せ。守りつづけたいサラリーマンの真心。表題作ほか5編を収録した経済小説短編集。
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2012年 8月号

【特集】 がんばれ会社員!

企業組織で働く人々を描いたエンターテインメント小説の新刊を集めました。読めば元気が出る!会社員小説です。

インタビュー 池井戸 潤さん『ロスジェネの逆襲』 │ エディターズガイド『ともにがんばりましょう』『花のさくら通り』

ともにがんばりましょう表紙

エディターズガイド 『ともにがんばりましょう』
前代未聞の「労働組合小説」!

講談社 文芸図書第二出版部
堀 彩子

突然ですが私の会社にはちょうど今の時期、名簿を片手にフロアをうろうろと歩き回る人と、その人に声をかけられまいとさりげなく逃げ回る人たちが出現します。追っ手の名は組合の「選挙委員」。職場を代表して今後一年間、組合の執行部で活動をする「執行委員」を選ばなければならないのです。講談社はユニオンショップ制といって、社員は入社した時点で自動的に組合員となるので、当然、誰かがやらなければならないお役目であることはみんなわかっています。わかっているんだけど、でも……。ついつい避けて通ってしまう。組合って、何をやっているのかよくわからないし、でも確実に面倒くさそうだし、そもそも数字に弱いし……と、逃げる理由は多々あります。

ともにがんばりましょう』は、まさにそんな退路を断たれ、追い詰められてしまった気の弱い主人公、武井が、上方新聞労働組合の執行部に入るところから始まる物語です。憂鬱な気分で出席した顔合わせで対面したのは、委員長の寺内によって集められた「七人の侍」。かなり癖のある、この面々と一緒に武井の戦いが始まります。

作者の塩田武士さんは一昨年、『盤上のアルファ』で小説現代長編新人賞を受賞してデビューし、大きな注目を集めている若手作家です。『盤上のアルファ』はプロを目指す将棋指しと新聞社の将棋担当記者とが出会って始まる物語なのですが、これが書かれた時、塩田さんご自身が神戸新聞の将棋担当記者でした。受賞が決まった二ヵ月後に、実際に組合の執行委員を引き受けることになってしまった塩田さん。仕事+執筆という二足のわらじに、組合活動というそれはそれは大きな重しがのしかかり、一年間まさに寝る間もないほどの忙しさだったそうですが、その分、取材は完璧。組合での経験はこの作品に余すところなく描きだされています。

本来なら堅苦しくなりそうな題材ですが、そこは塩田さん得意の軽快な関西弁の会話が冴えわたり、読みながら吹きだしてしまうこともしばしば。そして団交でのリアルなやりとりの向こうに見えてくる「働くということ」の意味には胸が熱くなります。今年、新聞社を退社した塩田さんが、「すべてを注いで書いた」というこの作品、組合とは無関係だから、と思われる方も、ぜひご一読を!


花のさくら通り表紙

エディターズガイド 『花のさくら通り』
笑いと涙の痛快まちづくり小説

集英社 文芸書編集部
伊礼春奈

荻原浩さんのデビュー作『オロロ畑でつかまえて』、第二作『なかよし小鳩組』につづくユニバーサル広告社シリーズ、待望の新作です! 社長の石井、コピーライターの杉山(バツイチ。別居中の娘・早苗との手紙のやりとりが心の支えになっている)、天才アートディレクターの村崎(パンクバンド「ジストマ」の活動を本業と考えているフシがある)、アルバイトの猪熊(とにかく服装が派手!)。以上四名が集うユニバーサル広告社は、いつも倒産寸前&自転車操業状態。クライアントを選り好みする余裕などなく、『オロロ畑〜』では超過疎化した牛穴村の村おこし作戦を、『なかよし〜』ではヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略を、請け負ってきました。

けれど、長引く不況はユニバーサル広告社を直撃。都心のオフィスを離れ、さびれた商店街の和菓子屋「岡森本舗」の二階に間借りすることに。 行覚寺の門前に広がるさくら通りを中心とした商店街は、少子高齢化や大手安売りスーパーの進出で今やシャッター通りと化しつつあります。このままでは先細る一方だと分かっていながらもなかなか新しい一歩を踏み出せず、歴史と伝統を守ることを優先してしまう老舗の主人たちと、改革に乗り出すほどの力を持たない若手店主たち……。

岡森本舗の若主人から商店会の「さくら祭り」用チラシ作りを頼まれたのをきっかけに、杉山たちは商店街の活性化にかかわっていきます。チラシとポスターの制作、祭りのテコ入れ、さらには大手スーパーとのガチンコ対決作戦。アイデアを出し、一緒に汗をかき、少しずつ新しい風が吹き始めますが……。曲者や堅物だらけの商店街で、杉山たちの挑戦は実を結ぶ時が来るのか? その結果はぜひお手にとって確かめてみてください。

今作は商店街を舞台にした痛快まちづくり小説であると同時に、社会のなかで働くことのキツさと面白さをぎゅっと凝縮した「お仕事小説」でもあります。毎日の仕事に疲れた時、働くことの意味が分からなくなった時、この物語が心にあたたかな光を灯してくれると思います。明日も頑張ってみよう、そんな気持ちをお届けできましたら幸いです。

(日販発行:月刊「新刊展望」2012年8月号より)

インタビュー 池井戸 潤さん『ロスジェネの逆襲』 │ エディターズガイド『ともにがんばりましょう』『花のさくら通り』

Web新刊展望は、情報誌「新刊展望」の一部を掲載したものです。
全てを読みたい方は「新刊展望 8月号」でお楽しみください!

新刊展望 8月号 発売中!
【主な内容】
[懐想] 江波戸哲夫 「時々刻々」と切り結ぶ
[特集] がんばれ会社員! 池井戸 潤/平山瑞穂
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