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特集・対談

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明治・妖モダン
明治・妖モダン
明治20年。銀座の派出所に勤務する巡査の原田と滝は、“かまいたち”に襲われた者や、瞬く間に成長を遂げる女の子の世話など、不思議な対応に追われてばかり。それらは、とてもこの世のものとは思えず…。
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アイスクリン強し
アイスクリン強し
お江戸が東京へと変わり、ビスキット、アイスクリン、チヨコレイトなど西洋菓子が次々お目見え。築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。今日もまた、甘いお菓子目当てに元幕臣の警官たち「若様組」がやってきて、あれやこれやの騒動が…。キュートな文明開化物語。
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若様組まいる
若様組まいる
時は明治20年―。世が世なら若殿様のはずだった旧幕臣の子息たち、人呼んで「若様組」の面々は、暮らしのため巡査を志し、芝愛宕の教習所に入った。だが、街中でピストル強盗の噂が絶えないなか、教習所内でも銃に絡む謎の事件が勃発。若様組に薩摩組、静岡組、平民組が入り乱れての犯人捜しが始まった!
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しゃばけ 新装版
しゃばけ 新装版
「しゃばけ」シリーズ第1弾が、オール描き下ろしの新作イラストでカムバック。若だんなは初事件をいかに推理したのか。とくとご覧あれ〜。サイズも揃って、シリーズコンプリートに必携。
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たぶんねこ
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ちょちょら
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2013年 11月号

【インタビュー】 畠中恵さん 『明治・妖モダン』

畠中恵 Megumi Hatakenaka
高知県生まれ、名古屋育ち。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコース・イラスト科卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。著書に『やなりいなり』『ねこのばば』『たぶんねこ』など「しゃばけ」シリーズ、『こころげそう』『つくもがみ、遊ぼうよ』『ときぐすり』ほか多数。

畠中恵さんの代表作といえば、愉快でかわいらしい妖たちがお江戸の捕物に大活躍するファンタジー時代小説「しゃばけ」シリーズ。一方、今回ご紹介する最新刊『明治・妖モダン』は、やはり「妖ファンタジー」でありながらも、「しゃばけ」とはかなり趣を異にする物語だ。 舞台は、明治維新から20年を経た、文明開化華やかなりし東京。アーク灯が闇を照らすモダンな街、銀座の煉瓦街に「ただの掘っ立て小屋にしか見えない」巡査派出所が建っていた。そこに勤務する原田と滝のまわりで起こる数々の事件は、どれもこの世のものとは思えない不可思議なものばかり。原田と滝、近所の牛鍋屋「百木屋」の主人・百賢、三味線の師匠のお高、煙草店を営む赤手、といった面々がレギュラーメンバーとなって、物語は繰り広げられる。 少し怖くて、妖しい魅力を秘めた、全五話の連作短編集。『明治・妖モダン』について、語っていただいた。

江戸にいた妖たちは、明治の世で……

―「しゃばけ」シリーズ、「つくもがみ」シリーズなどの「お江戸妖ファンタジー」に対し、今作では明治時代の銀座を舞台に選ばれました。それはなぜですか。

畠中  明治時代は今まで『アイスクリン強し』『若様組まいる』でも書いています。それと「しゃばけ」シリーズを並行して書いている中で、「このまま時間が経てば、江戸の世にごく普通にいたであろう妖たちはどうなってしまうのかな」とぼんやり考えていました。その疑問を自分の中で先に進めてみようと思ったのがきっかけです。

―実際に妖たちを明治の世に連れてきてみて、いかがでしたか。

畠中  「しゃばけ」シリーズでもそうですが、私の書いてきた妖たちは、ごく普通の生活の中にいます。時代が明治になってもやっぱり普通にいたはずで、果たしてどう暮らしていたのかなと思いました。まわりがすっかり変わってしまって、妖たちもなかなか大変だっただろうなと(笑)。

―御一新は人間にとって大きな変化であったと同時に、妖たちにとってもそうだったのですね。

畠中  一番の変化は、明るさだと思います。アーク灯の強い光で、夜でもかなり明るくなりました。ただ、『明治・妖モダン』の設定は明治20年。その頃だとまだまだ江戸のものは世の中にたくさん残っています。アーク灯の光が届かない裏通りや細い路地には、闇がありました。大きく変わった部分と変わらない部分、二つが合わさった時代だったのだと思います。
 そして銀座の煉瓦街というのは、この時代を表す地域でもあるんですね。表は、イギリスのリージェント・ストリートを模したバリバリの西洋文明。でも通りを一本入れば、江戸の長屋そのものという(笑)。まさに二つが合わさった場所だったらしいです。
 『アイスクリン強し』を書くにあたって明治の史料を読み始めた頃、江戸東京博物館で煉瓦街のミニチュアを見ました。そのとき特に印象深かったのが、「どうしてこんなところにこんなものを建てたんだろう?」という小さな小屋。それを今回の巡査派出所にしました。

―〈どれだけ世の中が変わろうと、江戸とは地続き、時続き〉という言葉が印象的でした。

畠中  続いているけれど、ものすごい勢いで変わってもいる。その両面がこの時代を書くおもしろさなんですね。あまりにすごい変わり方なので、史料をいろいろ調べるのは大変ですが、「おぉ! こんなに変わったんだ」という驚きが楽しくもありました。

―第二話「赤手の拾い子」の冒頭に、〈江戸が終わって二十年、明治の世というのは、昨日まで並であったことが、あっという間に変わってゆく時だ、と思っている。〉という赤手のモノローグがあります。非常にスピーディに物事が進化していく現代社会とイメージが重なりました。明治の人たちも「そんなに早く変わったらついていけない!」といった感覚を持っていたのでしょうか。

畠中  持っていたと思いますよ。たとえば明治23年に43歳の人が20歳のときは、江戸時代だったわけです。自分に置き換えてみたら、大学生のときは江戸時代だったのが、43歳になると電車も走るような時代……。さぞかし、ついていくのが大変だったろうと思いますよね。暮らしの中で使っている物もどんどん変わっていったでしょうし、未知の物、慣れない物への恐怖もある。それで、〈煉瓦の家に住むと、青ぶくれになって死ぬ〉などという噂が立ったんですね。

文明開化の時代を書く楽しさ

―同じ妖ものでも、今作は「しゃばけ」シリーズとはまったく雰囲気が違います。少し意外でもありました。

畠中  毎回、何か新しいことをやってみようと考えているんです。今回は、今までと違った印象のものをと意識しました。読後感も、ほんわかしたやさしいものとは違った感覚に持っていければと。それはどうやったら変えられるのか、地の文なのか、話の運び方なのか……。成功しているかどうかわかりませんが、自分なりに挑戦しました。一つ挙げると、今回の物語は人が亡くなっていることも多いんですよね。そういうところが少し違うかな。「しゃばけ」シリーズとは違った楽しみ方をしてくださるとうれしいです。

―怪談の趣もありますね。怪談はお好きですか。

畠中  スプラッターまで行ってしまうと苦手です。血がドバッと出てキャーッというような怖さはちょっと……(笑)。「牡丹灯籠」みたいにヒヤッとする感じは好きかな。

―『明治・妖モダン』の怖さの加減は、まさにそういう感覚です。背筋がぞくっとするような。江戸から明治に時代が変わっても、普通の暮らしの中に妖がいたということは、そのまま今の世の中にも妖たちは生き続けているかも知れないわけですね。

畠中  今の世にもいるかも知れないし、現代物としても書けるんじゃないかなと思います。この世に妖がいたらどういう話になるのか。それはまたいつか……。

―牛鍋屋「百木屋」に集う仲間たちが交代で主役をつとめる連作短編。〈文明開化の申し子とも言える食い物屋〉と書かれていますが、牛鍋屋は大いに明治を感じさせてくれるシチュエーションですね。

畠中  古くからあるという牛鍋屋さんに、実際に食べに行ってきました。分厚い肉のみそ味の牛鍋、おいしかったですよ。確かに牛鍋であって、すき焼きとはかなり違ったものです。

―江戸時代と明治時代、舞台を変えると書くときの感覚も違いますか。

畠中  『アイスクリン強し』で初めて明治を書いたときは、やっぱり戸惑いがありました。史料はたくさん読みましたが、史料に引きずられるようなところもあったと思います。その意味では、明治を書いた3冊目となる『明治・妖モダン』は、やっと明治が自分に馴染んできた、身近になってきた作品かな。あの辺に蒸気船、この辺には人力車が通っているというような感覚が、普通のものとしてつかめてきたところがあります。
 ただ、明治も大正に近くなってくると様子が変わってくるでしょうし、戦争もあります。また、これより前の年代には、それこそ江戸を引きずっている。モダンな明治を書こうとすると、やはり難しいですね。

―『アイスクリン強し』で描かれていたあるものが、今作にさりげなく登場していました。同時期の物語なんですね。

畠中  某洋菓子店は煉瓦街からも近いですので、ついついあそこの菓子を持たせてしまいました(笑)。
 どうぞ楽しんで読んでください。

(2013.9.17)

(日販発行:月刊「新刊展望」2013年11 月号より)

Web新刊展望は、情報誌「新刊展望」の一部を掲載したものです。

新刊展望 11月号
【主な内容】
[まえがき あとがき] 藤野可織 短篇小説と栗鼠
[インタビュー] 畠中 恵『明治・妖モダン』
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