【対談】 中村文則×久世番子
対談 中村文則×久世番子『文藝とか文豪のこと』 │ エディターズガイド『暴れん坊本屋さん 完全版』平台の巻&棚の巻
元書店アルバイトの少女マンガ家・久世番子さんが、本屋さんのゆかいな日常や知られざる裏側を、コミカルにセキララに描いたエッセイコミック『暴れん坊本屋さん』。その第一話が弊社のコミック雑誌「ウィングス」に掲載されたのは、今から7年前の2005年のことでした。
「暴れん坊本屋さん」が生まれたのはまったくの偶然でした。最初に番子さんから届いたプロットは、書店を舞台にした色々なタイプのイケメン男子達が登場するストーリーマンガでした。そのままでも充分おもしろかったのですが、何か物足りない。番子さんから電話打ち合わせのたびに聞く、バイト先の書店で巻き起こるおかしなお仕事エピソードの方が断然おもしろいんです。そこで「番子さん自身を主人公にして、実体験をエッセイマンガで描いてみませんか?」と提案しました。そうしてできたのが、番子さんが勝手に自分のコミックスをお店の新刊台に大量に並べて同僚にこっぴどく怒られる、第一話「9面平積み大作戦!!」です。
おかげさまで発表直後から書店員さんの間で「よくぞ描いてくれた!」「うちのお店も同じ!」と共感を呼び、一般の読者さんからは「本屋さんってこんなお仕事なんだ〜」と話題となり、コミックス3巻に及ぶ人気シリーズとなりました。
今回の『暴れん坊本屋さん 完全版』は、既刊の『暴れん坊本屋さん』全3巻を上下巻に分け、各巻に「日販通信」に掲載されているエッセイコミック「本販通信」2007年〜2012年分と、新書館の書店向けコミック注文書にひっそり連載中の4コママンガ「暴れん坊営業さん」から厳選したセレクション、さらに描き下ろし新作を収録しました。
通常版が刊行された7年前と現在では、書店さんや出版業界を取り巻く状況も大きく変わりました。でも、「本」が好きな人……売る人・作る人・買う人、皆さんの気持ちは変わっていないと思います。
本と本屋さんをこよなく愛する、番子さんの熱い想いが詰まった『暴れん坊本屋さん 完全版』、ぜひご笑覧ください!
(日販発行:月刊「新刊展望」2012年12月号より)
対談 中村文則×久世番子『文藝とか文豪のこと』 │ エディターズガイド『暴れん坊本屋さん 完全版』平台の巻&棚の巻
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[対談] 文藝とか文豪のこと 中村文則・久世番子