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特集・対談

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古典文学で
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2012年 2月号

【特集】 古典文学から広がる楽しみ

「源氏物語」「新古今和歌集」などの古典文学を、ミステリーや恋愛小説で楽しんでみませんか。

インタビュー 森谷明子さん
望月のあと 覚書源氏物語「若菜」
源氏物語から生まれたミステリー

森谷明子 Akiko Moriya
神奈川県生まれ。図書館司書を経て、2003年『千年の黙 異本源氏物語』で第13回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。卓越した人物描写とストーリーテリングで高い評価を受ける。著書に『白の祝宴 逸文紫式部日記』『れんげ野原のまんなかで』『七姫幻想』『深山に棲む声』『緑ヶ丘小学校大運動会』『葛野盛衰記』ほか。

平安時代中期、一人の女流作家によって書かれた長編小説、「源氏物語」。多くの著名な作家が現代語訳し、映画やコミックにもさまざまなバリエーションでリメイクされているこの古典文学は、千年のときを超え、今も我々を魅了し続けている。

望月のあと 覚書源氏物語「若菜」』は、源氏物語を新たな角度から楽しめるミステリーである。登場するのは、源氏物語を執筆していた当時の紫式部と、彼女のまわりにいた人々。藤原道長、和泉式部など歴史上有名な人物も続々登場し、平安の都を舞台に、謎解きを絡めた魅力的なストーリーが展開する。興趣あふれる雅なエンターテインメントだ。

〈平安の世、優雅な貴族たちの暮らしの裏側で、民は苦しい生活を強いられ、都には盗賊や放火が横行していた。しかし時の権力を欲しいままにする藤原道長は、そんな世情を省みることなく、「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」と歌に詠むほどだった。中宮彰子に仕える女房の香子(すなわち紫式部)は、道長が別邸にひそかに隠す謎の姫君をモデルに、『源氏物語』の「玉葛」の章を書く。物語の中に、道長へのある「意趣返し」を忍ばせて─。〉

著者の森谷明子さんが紡ぐ平安王朝推理絵巻は、『千年の黙 異本源氏物語』『白の祝宴 逸文紫式部日記』に続いて本書が三冊目となる。その執筆の背景を語っていただいた。


源氏物語を育てた人たち

「書きたいのは、源氏物語のメイキングです。シリーズ二作目の『白の祝宴』を書きながら、それがようやく見えてくるようになりました。

平安時代は優雅だったとか、女性が活躍して輝いていた時代だと言われますね。それだけに女性ならではのゴシップもたくさんあって、今も『大鏡』や『今昔物語』などの作品でそれらを読むことができます。歴史上で名のある人物が些細なことで喧嘩したり、遺産争いをしたり……まるで今の週刊誌のゴシップ記事のようです(笑)。

紫式部が書いた源氏物語はとても優雅ですが、書いたご当人たちの社会は、今の私たちにも結構通じるものだっただろうと思うんです。きれいな作品を書いた人間、その書き手を刺激した人間、近くで作品を読んでいた人間、ネガティブな感情をたくさん持っていた人間も絡めて、そんな世界を書いてみたいと思いました。

源氏物語は、多種多様な現代語訳から翻案小説、四コマ漫画までたくさんの作品になっていますが、それらはいずれも源氏物語から膨らませたもの。源氏物語を育てた根っこや土壌、社会までにはあまり踏み込んでいないと思います。でも、紫式部はたぶんこれをネタにしたのだろう、だからこの時期に源氏物語が成立したのだろうと思えるゴシップが残っているんですね。そこから私が考え出した、〈あったかも知れない物語〉を書きました。

源氏物語の最初の読者となったのは、紫式部の近くにいた女性たちです。彼女たちは読者であると同時に校正者であり、編集者であり、出版社でもありました。なぜならあの時代、紙に筆で書いた物語が多くの人に読まれるためには、誰かが写本をしなければならなかったから。その写本からまた写本が作られる形で、広まっていったわけです。物語を書いたのは紫式部ですが、それをまとめて広めたのは読者。だから読者も源氏物語の成立そのものに関わっていただろうし、源氏物語を共同作業で作っているような気分だったのではないかと思います。紫式部に『ここをこんなふうに書いてほしい』『私はこういうのが読みたい』『巷でこんなスキャンダルがあったけれど、使えないかしら』などと意見を言う女性たちもいたのではないか。中には雑音にしかならないものもあったかも知れないけれど(笑)、そういう女性たちの声を聞きながら、紫式部はあの長い物語を書き継いでいったのではないか。そんなふうに考えました。

実は今、ウェブの世界でこれと同じようなことがあります。ブログやツイッターを書く人、それを読んでコメントする人、広める人。もちろん今と状況は全然違いますし、千年前は紙と筆のアナログな世界でしたが、気持ちは当時も今も大して変わっていないのではないか。そんなことも考えると楽しかったです。

そうして源氏物語、紫式部、周辺の人間、それら全部をまとめた流れを自分なりに追いかけて世界を作って……それが、この三冊です。」

平安王朝推理絵巻三部作

「出発点は、現存している源氏物語に対する疑問でした。

千年の黙』では、『かかやく日の宮』の巻が欠落しているのではないかという、学者の先生方も複数の説を立てられているような問題がそれです。なぜ紫式部は、抜け落ちた巻をそのままにしておいたのか。そこに、小説だからこそ可能な一つの謎解きを絡めて、自分なりの物語にしました。

二作目の『白の祝宴』は、紫式部が宮仕えを記録した『紫式部日記』についての疑問がもとになっています。あの源氏物語の作者である紫式部が書いたものなのに、どうして紫式部日記はつまらない読み物なのか。そしてそれが千年も生き残れたのはなぜか。あわせてもう一つ、なぜ清少納言は枕草子の中で、かわいらしかったはずの幼いお姫様のことを何も書かなかったのか。それらの疑問に対する物語を、その頃紫式部は何をしていたかをなぞりながら書きました。

今回の『望月のあと』で核になっているのは、『玉葛』の巻と『若菜上』『若菜下』の巻に関する小さな疑問です。この物語では、貴族社会だけでなく都の下層の人々も描けたことに満足感があります。それは書くべきことだったと思うんです。優雅で華やかな部分ばかりが目立つ平安時代にも、こういう世界は確かにあったし、社会の構図には今に通じることがありますから。紫式部もそういう現実を悟り、その後宇治十帖を書いていくことになります。

望月のあと』のエンディングは、一作目『千年の黙』のエピローグの部分にちょうど着地しました。一作目で間を空けてしまった部分の物語を、二作目と三冊目で埋めた格好になります。ですから、とりあえずここで一段落したかなという感じです。一作目が本になったのは二〇〇三年十月でしたから、ここまで八年。正直、やっとたどり着いたという感があります。作家を名乗らせていただくようになってからの八年間、他のものをいくつか書きながらもずっと、この源氏物語の連作のことを考えているような状態でした。このシリーズは、私の中の一番底を流れている、基軸のようなものなんです。

当初は三部作の予定でしたが、『望月のあと』を終えて、源氏物語全五十四帖の十三帖分を残してしまいました。つまり、三部作では終わらないということです。でも四番目は、ある意味で後日談的な話になっていくかと思います。舞台は、内裏を出て、太宰府、宇治などに移ります。浮舟をめぐる物語、それがミステリーとなります。」

源氏物語について

「源氏物語は、新訳が出たり、映画化されたりすると、そのたびにブームになりますよね。記憶に新しいところでは、二〇〇九年にも〈源氏物語千年紀〉で大いに盛り上がりました。

源氏物語は恋愛小説の原点だと思います。だからおそらく廃れることはないのだろうと。波の高低はあるにしても、必ず残っていくもの。人間が存在する限り、恋愛小説は求められ続けるでしょうし、その底流に源氏物語はあるのだと思います。

源氏物語とは、〈光源氏の恋愛遍歴の話〉─そう言ってしまえばそれまで(笑)。でも、よくよく読んでみると、光源氏は女性が嫌なことをしない男だということがわかるんです。

同時進行で何人もの女性と関係するのは現代の女性は許しがたいでしょうけれど、彼が生きた時代にはそれが社会的常識でしたから……。その点を除くと、彼は女性にとって理想的です。自分から女性を捨てないし、自分が言い寄って受け入れてくれなかった女性のことは未練がましくあきらめる。“僕がこんなに思っているのに”とグチグチ言いながら、一線は越えないで良いお友達関係でいてくれる。また、恋人や愛人の関係になっても、彼には他にも女性がいてつらいからやめると言った女性にも、いじらしく“捨てないで”とすがる。でもそれ以上のことはせず、後になって“僕は君に振られたんだもん”とセンスのいい手紙を贈ったり(笑)。

いつも光源氏から言い寄って始まる恋だけれど、イエスノーを言うのも、終わりを決めるのも女性のほう。そして終わった後もお友達関係は残せる。だから女性は気持ちが落ち着くし、納得しやすいんです。

女性が読んで、楽しいはずです。光源氏は美貌と才能に恵まれ、すべてを持っていると言われますが、決して彼に振り回されている女性はいません。実は、女性のほうが主体性を保っていられる。紫式部がそういう書き方をしたからこそ、そうであるわけなのですが、これは恋愛小説の極意ではないでしょうか。だから女性は源氏物語を好きなのだと思います。

源氏物語に登場する女人たちには、いろいろなタイプがいます。読者それぞれが共感できる人、そうでない人。源氏物語を素材にして、読者同士で恋バナがたくさんできる(笑)。源氏物語とは、そういう恋愛小説の醍醐味が満載の作品なんですね。」

(日販発行:月刊「新刊展望」2012年2月号より)

【特集】古典文学から広がる楽しみ 続きは新刊展望2月号で!

新刊展望 2月号
【主な内容】
[懐想] 海堂 尊 ドクターヘリを飛ばすまで
[特集] 古典文学から広がる楽しみ 森谷明子/加藤千恵
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