2013年 1月号
成毛 眞Makoto Naruke
自宅の地下に書庫がある。「廊下兼書庫。この家を建てるとき地下に書庫を造りたくて最初に設計しました」。蔵書は「三千冊くらいかな」。別荘に置いた本も合わせるとちょっとした書店並みの数。歴史、社会科学、サイエンスなど、ほぼ系統別に並んでいる。
書評のために目を通す本は月間三十〜四十冊に上る。代表を務めるHONZは、プロ・アマ混成メンバー二十名が「読むに値する」おすすめ新刊ノンフィクションを日替わりで紹介する書評サイト。「コンセプトは“褒める、おすすめする、嫌なことは書かない”とポジティブ。メンバーたちは本当にノンフィクションが好き。ほとんどマニアです(笑)」。今やHONZの存在がノンフィクションの世界を盛り上げていることは確かである。
サイトで紹介した五百冊余から百五十冊を厳選し書籍化したのが『ノンフィクションはこれを読め!』。書評以外の読みものも充実しており、年末年始の読書計画に格好のブックガイドでもある。全国十書店以上で開催の同書連動フェアも好評だ。
地下への階段を下りるとまず目を惹くのはワインラック。そして廊下の端まで書棚が続く。情報鮮度を重視して本は常時入れ替えを行っている。棚に入りきらない本を詰めた段ボールは飲料の空き箱ばかり。「軽くて強くて大きさも手頃だから。“こんなに読んだか”より“こんなに飲んだか”だね(笑)」。本はほとんどが「非小説」系だが例外はSF。「ハインライン、クラーク、ハミルトン、ブラッドベリ、バラード……高校時代から千冊近く読んでいると思う」。扉つきの棚には小松左京や筒井康隆の初版が。
(日販発行:月刊「新刊展望」2013年1月号より)
今月の作品
- ノンフィクションはこれを読め!
- ノンフィクション書評サイト「HONZ」が、厳選に厳選を重ねて紹介するブックガイド。社会、歴史、アート、評伝、医学、生物、経済などあらゆる分野から、読み物として面白かった本150冊を紹介する。