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[BOOKデータベースより]
「あなたは発達障害です」と言ってほしい人たちがいる。誤解を避けるために言っておくと、私は、実際に発達障害と診断を受けながら生活している人やその家族、その医療に携わる人たちや支援する人たちを批判するつもりはまったくない。そうではなく、その可能性は低いのに、「私は発達障害かも」と思う人が増えているという、医療の問題というより社会的な現象について取り上げ、その原因などを考えてみたい、というのが本書の目的だ。
はじめに―もしかして、私もそうかも
[日販商品データベースより]1章 増加する「おとなの発達障害」―発達障害か、ただの個性か。生きづらさの正体を求めて
2章 発達障害はなぜわかりにくいのか―「ふつうの人」か「発達障害」か
3章 そもそも、発達障害とは何か―発達障害は育て方やしつけが原因ではない
4章 発達障害が活躍する時代が来る?―拡大する「発達障害ビジネス」
5章 過剰診断という悩ましい問題―世間の望みと医療者が抱えるジレンマ
6章 発達障害はどこへ向かうのか―私たちは、どう向き合い、どう考え、どう対処すればよいか
おわりに―誰だって世界に二人といない「かけがえのない自分」
いま、過熱する「発達障害バブル」。専門外来では、予約から診察まで3か月待ちは当たり前といった状況が続いている。
わが子の行動やコミュニケーションに不安を抱く親たち。
仕事や人間関係の尽きない悩みに原因を求めるおとなたち。
皆、「生きづらさ」のよすがとして、「発達障害」という記号を求めているのではないか、と精神科医の香山さんは指摘する。
早く診断を受けて、適切な支援を受けさえすれば、この「生きづらさ」は軽減されるのか?
発達障害に関する分類や考え方は、まだまだ大きく変動しており、精神科医でさえ、その変動についていくのは難しい。
過熱する患者や家族の心理と変動し続ける発達障害診断。
「発達障害」はどこへ行くのか?
精神科医・香山リカさんが、生きづらさの原因を「発達障害」に求める人たちの心理と時代背景に斬り込んだ意欲作!