伊豆の街道

Ｐ＋Ｄ　ＢＯＯＫＳ　

小学館
川崎長太郎　

• 価格: 715円（本体650円＋税）
• 発行年月: 2022年11月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784093524513

内容情報

[BOOKデータベースより]

「先生が憎い。―こんなに、わたし好きになってゐるのに、本当に解つてくれないッ。」と、花枝は、髪の乱れた額で、先方の胸倉をこづくようであつた。「そんなことがあるものか。重々、ありがたいと思つてゐる。」―小田原の物置部屋で作家活動をする竹七と、夫が書いた作品を見てもらうため、ときおり竹七の元を訪れていた花枝。うだつの上がらない初老の作家と、２人の子を持つ２５歳の人妻が、いつしか互いに離れられない関係になり―。前後して発表された『抹香町』とともに著者の出世作となった、これぞ私小説といえる逸作。

[日販商品データベースより]

30歳差の道ならぬ恋を淡々と描いた名作

「先生が憎い。――こんなに、わたし好きになってゐるのに、本当に解つてくれないッ。」
と、花枝は、髪の乱れた額で、先方の胸倉をこづくようであつた。
「そんなことがあるものか。重々、ありがたいと思つてゐる。」――
小田原の物置部屋で作家活動をする竹七と、夫が書いた作品を見てもらうため、ときおり竹七の元を訪れていた花枝。うだつの上がらない初老の作家と、2人の子を持つ25歳の人妻が、いつしか互いに離れられない関係になり――。
前後して発表された『抹香町』とともに著者の出世作となった、これぞ私小説といえる逸作。