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[BOOKデータベースより]
この世界の主人公である「キミ」におくる、はげましの絵本!ペダルのない幼児用の自転車に乗る少年は、兄の自転車についていこうと必死でがんばりますが、兄に「遅い」と言われ、置いてきぼりに。しょんぼりと歩いていると、目の前の木にかたつむりが!かたつむりは少年を、思いもかけない場所へ連れていってくれます。
[日販商品データベースより]ゆっくりと自分の速度で。空をみながら行けばいいペダルなしの幼児用自転車にのる少年は、二輪自転車をこぐお兄ちゃんについていこうとしますが、スピードがでません。お兄ちゃんは必死に付いてくる弟のことが気にかかりますが、結局、弟を引き離して友達と行ってしまいました。置いてきぼりにされ、来た道を戻る少年。そんな中、道で出会ったカタツムリが少年を思いがけない場所へ導いてくれて・・・。繊細な観察力と新鮮な構図で、子供の日常の中できらめく瞬間を描き出した絵本!
「ついてくるな」ペダルの無い幼児用自転車を必死に動かして、一生懸命お兄ちゃんの自転車に追いつこうとする弟。でも同じスピードで走れるはずもなく、男の子は石につまづいて土手を転がり落ちてしまいます。「みんなだいきらいだ!」と嫌な気持ちでいっぱいになった男の子が見つけたのは、ゆっくりと木に登って行くかたつむりでした。シンプルなモノクロの線で形作られた空と大地の中で、まるで浮かび上がるように描かれた、赤い男の子の自転車用ヘルメットとカタツムリの殻。ぼくとカタツムリーー進むスピードも見える景色も違うかたつむりに導かれたぼくは、はっとする光景を目にして……。シンプルで繊細、そして新鮮な構図や色遣いやぐっと引き込まれる作品を作ったのは、韓国の絵本作家キム・ミヌさん。2022年3月に、児童文学界のノーベル賞と呼ばれている「アンデルセン賞」を受賞しており、この作品がデビュー作です。韓国ではさらに2冊の絵本を発表していて、その繊細な筆致で、今後の活躍が注目されている作家のひとりです。
(子どもの本コーディネーター 中村康子)
お兄ちゃんに必死でついていこうとするけれど、ついてくるなと言われてしまう男の子がいじらしく、胸が痛みます。けれど、自転車を速くこげるお兄ちゃん達は、小さなカタツムリに気づくこともなく、美しい夕日をじっくりと眺めることもなかったことでしょう。ゆっくりでないと気づかないことがある。ゆっくりだからこそ見られる景色がある。我が家の子供達は、自転車を漕ぐのもすっかり速くなりましたが、「最近は、何をするにも若い頃より時間がかかって」と嘆いている親に、この本を読ませてあげたくなりました。(miki222さん 40代・千葉県 男の子11歳、女の子9歳)
【情報提供・絵本ナビ】