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[BOOKデータベースより]
「よそ者たちの」織りなすアメリカ史。アメリカ歴史家協会、アメリカ歴史学会、アメリカンスタディーズ学会、移民・エスニックヒストリー研究協会ほか多数受賞。
序文 非合法移民―法と歴史の問題
[日販商品データベースより]第1部 数字と書類に基づく移民規制レジーム(一九二四年移民法と人種の再構築;非合法性の創造と解消―強制送還政策の形成と非合法移民)
第2部 法とネーションの周縁で(植民地の被支配者から望まれざる外国人へ―見えざる帝国におけるフィリピン人移民;ブラセロ、「ウェットバック」、階級を分かつナショナルな境界)
第3部 戦争・ナショナリズムと外国人同然のシティズンシップ(第二次世界大戦中の日系アメリカ人強制収容と市民権放棄;冷戦期における中国からの移民危機と「自白プログラム」)
第4部 戦後の移民制度改革における多元主義とナショナリズム(リベラル派による移民政策批判と改革)
「よそ者たち」の織りなすアメリカ史
本書は、アメリカ社会に深く根を下ろしながらも、「移民」から「市民」へというスキームの外に置かれた人びとの経験を通して、アメリカすなわち「移民の国」という自画像や通説的理解を歴史的に問い直す研究である。
「正しい」国境の越え方、「正しくない」国境の越え方はどう変容してきたのか、米墨国境はどのように主権意識と結びつくようになったのか、それ自体としては勤勉といった美徳として称賛される労働は、なぜ正規の在留資格を欠くという1点において不法就労として白眼視されるのか、ナショナリズムに呪縛されない公正な移民制度とは何か―こうした根本的な問いを立て、アメリカに国境意識が芽生えた20世紀初頭にさかのぼり、国境・主権国家・国民国家の自明性を検証する。非合法移民が問題化される過程を論じるなかで、フィリピン系、メキシコ系、日系、中国系移民らの、それぞれまったく異なる経験と法的・歴史的背景が詳細に綴られ、まさに圧巻である。
アメリカ歴史家協会、アメリカ歴史学会、アメリカンスタディーズ学会ほか主要学会賞を総なめにした、移民史研究の金字塔。