- 戦後日本、記憶の力学
-
「継承という断絶」と無難さの政治学
作品社
福間良明
- 価格
- 2,970円(本体2,700円+税)
- 発行年月
- 2020年07月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784861828140
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
-
「聖戦」の残像
-
福間良明
価格:3,960円(本体3,600円+税)
【2015年06月発売】
ユーザーレビュー
この商品に寄せられたカスタマーレビューはまだありません。
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
[BOOKデータベースより]
戦後中期から現代にかけての「継承という断絶」の諸相を描く。霊園・戦跡・モニュメント・新聞・映画・小説・手記など、さまざまなメディアをとおして、戦争記憶の「継承という断絶」が生み出される社会背景やメカニズムを解明する。長年このテーマに取り組んできた注目のメディア研究者による戦争記憶の歴史社会学。
プロローグ 「継承」の欲望と戦後
[日販商品データベースより]1 空間の力学―「記憶の場」の構築と齟齬(靖国神社、千鳥ヶ淵―「社」と「遺骨」の闘争;広島、長崎―「被爆の痕跡」ポリティクス;沖縄・摩文仁―「戦跡というメディア」の成立と変容)
2 文化の力学―ポピュラー文化と死者の情念(映画『野火』―「難死」と「嘲笑」の後景化;映画『軍旗はためく下に』―覆され続ける「予期」;鶴見俊輔とカウンター・クライムの思想―「順法」への懐疑)
3 社会の力学―「無難さ」の前景化と現代(鹿児島・知覧―「平和の尊さ」と脱歴史化の現代;「慰霊祭」の言説空間と「広島」―「無難さ」の政治学;「断絶」の風化とメディア文化―「継承」の欲望を問う視角)
エピローグ 「ポスト戦後七〇年」と「戦争」をめぐる問い
私たちが向き合うべき戦争の記憶とは何か――。
〈継承〉の欲望と〈忘却〉の再生産。
戦後中期から現代にかけての「継承という断絶」の諸相を描く。霊園・戦跡・モニュメント・新聞・映画・小説・手記など、さまざまなメディアをとおして、戦争記憶の「継承という断絶」が生み出される社会背景やメカニズムを解明する。長年このテーマに取り組んできた注目のメディア研究者による戦争記憶の歴史社会学。
いまも毎年夏になると、「戦争の記憶」の継承が叫ばれる。だが、そこでは「継承の欲望」は語ってはいても、そこ自体に内在する「風化」「断絶」が見落とされてはいないだろうか。戦争映画や戦跡観光と いったポピュラー文化のなかで、調和的な「継承」が麗しく語られる一方、軍内部の組織病理や暴力に着目されることは少ない。だとすれば、体験や記憶の「継承」の美名に浸ること自体が、じつは見るべきものから目を背け、「風化」「断絶」を進行させているとも言えまいか。――本書「プロローグ」より