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[BOOKデータベースより]
本書では、逋脱犯に関する規定を、一方で納税義務違反を予防する制度として考察し、他方で租税債権を侵害する罪として財産犯と性質付けた。この前者は逋脱罪を機能的な観点からみたものであり、後者はそれを法理論的な観点から考察したものであって、これらは無論、矛盾するものではない。しかし、さらに考えると、このことは租税法を法的な観点とは別に機能的な観点から構成する可能性について示唆しているのである。ここで述べたような機能的な観点からの考察も、租税法を多面的に考察する際には一定の有用性をもつもののように思われる。本書はそのような租税法の機能的な考察の一つの試みであると位置付けることができよう。
第1部 租税制裁法の構造と機能(租税制裁法の意義と問題の所在;租税制裁法の比較法的研究―ドイツとアメリカの制度を素材として;日本の租税制裁法についての検討)
[日販商品データベースより]第2部 租税制裁法の具体的展開(いわゆる青色申告取消益と逋脱犯;地方税制における租税制裁―制度の概観に関する研究ノート;過少申告加算税を免除する「正当な理由」に関する一考察―IMPACTを手がかりとして;納税者以外の者による隠蔽・仮装工作と重加算税;いわゆる「つまみ申告」と重加算税―租税制裁における主観的要件重視の傾向について ほか)
●租税法と刑法が交錯する租税制裁法の第一人者による最新作!
逋脱犯処罰における実刑中心主義を初めて説いた旧版に、その後公表の関連論稿を加えた増補版。
租税逋脱犯の個別論点、地方税に関する租税制裁、過少申告加算税、重加算税、延滞税、犯則調査手続・無許可輸出入罪の改正など幅広いテーマを取り上げ、租税制裁法の具体的展開を示した待望の最新版。法改正にも深く関わり、この分野におけるトップランナーとして走り続ける著者による注目の書。