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★プロ書店員レビュー★
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長崎の風土と吉田作品の関係を詳細に論じた文芸批評
本書は、小説家・吉田修一と同郷、つまり長崎出身(しかも同じ高校を卒業)で、西日本新聞に「現代ブンガク風土記」を連載中の批評家が、長崎の風土と吉田作品の関係を詳細に論じた文芸批評である。作品に「ヤンキー」や「作業員系」の男性が多く登場することについて、吉田修一が「漁業と炭鉱と造船」の街で育ったことの影響を指摘している。長崎の地区別の文化的な差異にまで言及できるのはさすがに同郷の強みである。吉田修一は最新刊『国宝』で歌舞伎役者を描いたが、これも究極の「肉体労働者」だと考えれば、吉田の「身体を資本に生きる人びと」への執着は明らかだ。本書を機に多方面から吉田修一論への参入があるといい。特に、ジェンダー/セクシュアリティ・スタディーズからのアプローチに期待したい。
[BOOKデータベースより]
『パレード』から『悪人』、そして『国宝』まで。純文学と大衆小説の文学賞を合わせて受賞するなど振れ幅のある吉田修一の仕事を長崎という「風土」から捉える。吉田修一のほぼ全作品を網羅。
第1章 吉田修一の「風土」(長崎;父親と酒屋;母親と「成熟と喪失」)
第2章 吉田修一の「小説の嘘」(丸山明宏「ヨイトマケの唄」と長崎;長崎南高校;軍艦島の偽ガイド)
第3章 吉田修一の「訛り」(感情の訛り;疑似家族的な親密さ;男女別の秩序)
第4章 吉田修一の「故郷喪失」(故郷喪失;村上龍と村上春樹との風景描写の違い;吉田修一とカズオ・イシグロの長崎)
第5章 吉田修一の「悪」(新宿;悪人=吉田修一の故郷;長崎から歌舞伎座へ―『国宝』の風土)
付録 吉田修一作品の舞台マップ