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- 北区の太
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人間の弱さに対する理解、優しさ
ご存知「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」という衝撃的なタイトルの一冊の増補版。作者は北大柔道部で柔道にうちこみ、木村政彦への敬愛の念は半端ではなく、その想いがヒシヒシと伝わって来る一冊。世紀の一戦、「柔道王・木村政彦 VS プロレス創設者・力道山」の顛末はいまだ謎が多いが、屈辱の敗戦から、木村が何故、名誉挽回のための行動を起こさなかったのかを考察している。この本の根底に流れているのは、敗者への優しさ。一度の敗戦(=失敗と言い替えても良い)でその人の人生・人格を全否定する昨今の風潮に警鐘をならしている。人間は誰しも弱いもの、時として過ちを犯すものとしてとらえ、1度、過ちを犯すと徹底的にそれを叩く社会に疑問を呈す。作者の懐の深さ、優しさを感じることが出来る。こうしたノンフィクションものも素晴らしいが、「シャトーン」に代表される自然を舞台としたフィクション(小説)にも期待したい。
[BOOKデータベースより]
13年連続日本一、天覧試合を制覇し、エリオ・グレイシーを極めた日本柔道史上「最強」の男は、なぜ力道山に敗れたのか?大反響を呼んだ『ゴング格闘技』連載から、単行本『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』には収録されなかった“幻の原稿”群が初めて書籍化。そして著者・増田俊也が格闘家、作家、表現者たちとの対談で「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を問う。
第1章 史上「最強」は誰だ?(「最強柔道家」論争 木村政彦、ヘーシンク、ルスカ、そして山下泰裕;木村政彦vs山下泰裕、もし戦わば“立技篇” ほか)
[日販商品データベースより]第2章 証言・木村政彦と力道山の時代(ヒクソン・グレイシー×増田俊也「木村政彦は切腹すべきだったのか」ミスター高橋×増田俊也「プロレス側から見た力道山vs木村政彦」 ほか)
第3章 柔道とは何か?(岡野功×増田俊也「柔道、そして正気塾を語ろう」;古賀の兄と呼ばれた柔道家 ほか)
第4章 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(平野啓一郎×増田俊也「木村政彦の復活」;角幡唯介×増田俊也「たったひとつの信じるもの」 ほか)
第5章 男の星座たちに捧ぐ(大宅壮一ノンフィクション賞受賞 増田俊也「天覧試合を語る」;猪瀬直樹×増田俊也「木村政彦が生きた意味」 ほか)
「木村政彦 生誕百周年記念」刊行。連載時に反響を呼びながら、ベストセラー『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』には収録されなかった幻の原稿「最強柔道家論争」を含む、『ゴング格闘技』連載時の珠玉の原稿や論評、さまざまな作家・格闘家・アーティストたちとの対談、さらに書き下ろし原稿、連載時の秘蔵写真&全キャプション等を収録。大宅賞&新潮ドキュメント賞W受賞作は、本書によって“完全版”となる。