- ライシテから読む現代フランス
-
政治と宗教のいま
岩波新書 新赤版1710
- 価格
- 924円(本体840円+税)
- 発行年月
- 2018年03月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784004317104
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 韓国の教育と社会階層
-
価格:6,820円(本体6,200円+税)
【2006年03月発売】
- ニセドイツ 1
-
価格:2,090円(本体1,900円+税)
【2009年11月発売】
- フィリピンを知るための64章
-
価格:2,200円(本体2,000円+税)
【2016年12月発売】

ユーザーレビュー (1件、平均スコア:4)
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
-
★プロ書店員レビュー★
-
「公」と「私」を厳格に峻別するフランスの原理。
「あいまいな日本」と違い、「公」と「私」を厳格に峻別するフランスでは、国家の領域に信仰が侵入することを認めない。この原理を「ライシテ」と呼ぶ。私的領域での信仰の自由とともに、公的領域における平等を保障する。日本国憲法も20条で信教の自由と政教分離を定めている。その点では、日本もライシテ体制の国である。しかし、社会における関心度が違う。フランスではいつの時代もライシテを巡る論争が絶えない。古くは国家権力とカトリック教会の対立、現代ではイスラム教の包摂が主な焦点だ。本書は『ライシテ、道徳、宗教学』でサントリー学芸賞を受賞した研究者による初めての新書で、ライシテ論争史をまとめたもの。論争のきっかけとなる事件や人物の解説から入るので、初学者にもやさしい。
[BOOKデータベースより]
数々のテロ事件を受け、フランスはいま、政治と宗教、共生と分断のはざまで揺れている。国内第二の宗教であるイスラームとの関係をめぐり、二〇一七年大統領選挙の主要争点ともなったライシテとは何か。憲法一条が謳う「ライックな(教育などが宗教から独立している、非宗教的な、世俗の)共和国」は何を擁護しうるのか。
序章 共生と分断のはざまのライシテ(揺れる共和国―テロ事件と大統領選挙から;なぜ、いまライシテなのか)
第1章 ライシテとは厳格な政教分離のことなのか(分離から承認へ;右傾化と治安の重視;同性婚反対運動とカトリック ほか)
第2章 宗教的マイノリティは迫害の憂き目に遭うのか(シャルリ・エブド事件からヴォルテールの『寛容論』へ;カラス事件とプロテスタント;ドレフェス事件とユダヤ人 ほか)
第3章 ライシテとイスラームは相容れないのか(ヴェールを被る理由、被らない理由;フェミニズムとポストコロニアリズム;「原理主義」と括られる潮流 ほか)
終章 ライシテは「フランス的例外」なのか(ライシテを「脱フランス化」する;日本のライシテ)