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[BOOKデータベースより]
三十九歳の千歳は、親しいわけでもなかった一俊から「結婚しませんか?」と言われ、広大な都営団地の一室に移り住む。その部屋で四十年以上暮らしてきた一俊の祖父から人捜しを頼まれ、いるかどうかも定かでない人物を追うなかで、出会う人たち、そして、出会うことのなかった人たちの過去と人生が交錯していく…。
[日販商品データベースより]夫・一俊と共に都営団地に住み始めた永尾千歳、40歳。一俊からは会って4回目でプロポーズされ、なぜ結婚したいと思ったのか、相手の気持ちも、自分の気持ちも、はっきりとしない。
二人が住むのは、一俊の祖父・日野勝男が借りている部屋だ。勝男は骨折して入院、千歳に人探しを頼む。いるのかいないのか分からない男を探して、巨大な団地の中を千歳はさまよい歩く。はたして尋ね人は見つかるのか、そして千歳と一俊、二人の距離は縮まるのか……。
三千戸もの都営団地を舞台に、四十五年間ここに住む勝男、その娘の圭子、一俊、友人の中村直人・枝里きょうだい、団地内にある喫茶店「カトレア」を営むあゆみ、千歳が団地で知り合った女子中学生・メイ。それぞれの登場人物の記憶と、土地の記憶が交錯する。