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文春新書 1138
文藝春秋 大泉光一
伊達政宗による慶長遣欧使節団の本当の目的は、ローマ教皇の力を借りてスペインと軍事同盟を結び、徳川幕府に乾坤一擲の大勝負を挑むことだった。ヴァティカン機密文書館に眠っていた戦国日本の「ダヴィンチ・コード」が今、読み解かれる―。
序章 慶長年間の日本第1章 使節団派遣に至る過程第2章 幕府転覆計画への転換第3章 メキシコでの使節一行第4章 スペインでの躓き第5章 ローマでの栄光と挫折・定説の誤り第6章 帰路の苦悩第7章 政宗の裏切り終章 余話
戦国の英雄として有名な伊達政宗。彼は、徳川の世になっても、天下取りの野望を捨てず、家臣・支倉常長をヨーロッパに派遣し、ローマ法王の援助を得て、幕府を転覆しようとした――こういう話は昔からあったのですが、定説ではありませんでした。 ところが、これは事実だったのです!! ヴァティカン機密文書館庁には、カソリック教会にかかわる2000年間の秘密史料が厳重に保管されていますが、その中に、政宗が「カソリック王」に叙任されることを願い出た証拠が、ちゃんと残っていたのです。 では、なぜ、その野望は実現しなかったのか? 歴史好きはご存知のように、政宗は講談などで描かれる豪快な人物なのではなく、じつに細心、もっといえば臆病極まりない男でした。失敗したときに、どうやって言い逃れるかを考えてからではないと行動しないタイプだったのです。 この遣欧使節でも、幕府にバレたときの対応を周到に考えました。自分自身は洗礼を受けず、いざとなったら腹を切らせるため、下級の家臣を遣わしてローマ法王を丸め込もうとしたのです。でも、そんなのうまくいくはずありません。 ローマ法王庁から、「カソリック王にしてくれ、と言いながら、本人がキリシタンじゃないのは、おかしいんじゃないの?」とツッコまれ、支倉たちも、「まー、そーですが、心の中では信仰はあると思うんですよね〜」などと、苦しい弁明につとめますが、結局、ローマの返事はノー。政宗の野望は潰えたのです。 筆者は中世のスペイン語、ポルトガル語、スペイン語、ラテン語に精通し、原史料を精緻に翻訳して、この結論にたどり着きました。 戦国ブームの中でも、もっとも人気の高い伊達政宗の人間像ががらっと変わる、画期的な新書です。
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
一覧を見る
[BOOKデータベースより]
伊達政宗による慶長遣欧使節団の本当の目的は、ローマ教皇の力を借りてスペインと軍事同盟を結び、徳川幕府に乾坤一擲の大勝負を挑むことだった。ヴァティカン機密文書館に眠っていた戦国日本の「ダヴィンチ・コード」が今、読み解かれる―。
序章 慶長年間の日本
[日販商品データベースより]第1章 使節団派遣に至る過程
第2章 幕府転覆計画への転換
第3章 メキシコでの使節一行
第4章 スペインでの躓き
第5章 ローマでの栄光と挫折・定説の誤り
第6章 帰路の苦悩
第7章 政宗の裏切り
終章 余話
戦国の英雄として有名な伊達政宗。彼は、徳川の世になっても、天下取りの野望を捨てず、家臣・支倉常長をヨーロッパに派遣し、ローマ法王の援助を得て、幕府を転覆しようとした――こういう話は昔からあったのですが、定説ではありませんでした。
ところが、これは事実だったのです!!
ヴァティカン機密文書館庁には、カソリック教会にかかわる2000年間の秘密史料が厳重に保管されていますが、その中に、政宗が「カソリック王」に叙任されることを願い出た証拠が、ちゃんと残っていたのです。
では、なぜ、その野望は実現しなかったのか?
歴史好きはご存知のように、政宗は講談などで描かれる豪快な人物なのではなく、じつに細心、もっといえば臆病極まりない男でした。失敗したときに、どうやって言い逃れるかを考えてからではないと行動しないタイプだったのです。
この遣欧使節でも、幕府にバレたときの対応を周到に考えました。自分自身は洗礼を受けず、いざとなったら腹を切らせるため、下級の家臣を遣わしてローマ法王を丸め込もうとしたのです。でも、そんなのうまくいくはずありません。 ローマ法王庁から、「カソリック王にしてくれ、と言いながら、本人がキリシタンじゃないのは、おかしいんじゃないの?」とツッコまれ、支倉たちも、「まー、そーですが、心の中では信仰はあると思うんですよね〜」などと、苦しい弁明につとめますが、結局、ローマの返事はノー。政宗の野望は潰えたのです。
筆者は中世のスペイン語、ポルトガル語、スペイン語、ラテン語に精通し、原史料を精緻に翻訳して、この結論にたどり着きました。
戦国ブームの中でも、もっとも人気の高い伊達政宗の人間像ががらっと変わる、画期的な新書です。