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- 〈軍〉の中国史
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- 価格
- 880円(本体800円+税)
- 発行年月
- 2017年01月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784062884099
[BOOKデータベースより]
“軍”がわかれば中国がわかる。“軍”と“政”―4000年の葛藤の歴史が暴き出す、赤裸々な中国の姿!!
第1章 古代中世における「兵・財・民」(「兵農一致」のジレンマ;「兵農分離」という出口;府兵制とその挫折)
第2章 近世の新潮流(北宋時代の特色;遼から金へ、北宋から南宋へ;モンゴルがもたらしたもの;明代の衛所制;清代の八旗制度)
第3章 近代「軍」のめばえ(白蓮教徒の乱;太平天国の乱;洋務運動;日清戦争;袁世凱の擡頭)
第4章 民国時代の試行錯誤(「軍閥」としての袁世凱;袁世凱の没後(一九一六年以降);第一次大戦参戦問題と国政の空転;「かね」でかわれた大総統位;「基督将軍」〓(ふう)玉祥;「軍閥」時代のおわり)
第5章 人民共和国への道(国民革命軍;共産党の軍隊)
<軍-をキーワードに、古代から現代にいたる長い中国の歴史を繙くことによって、中国という国の知られざる「本質」が解き明かされてゆきます。
「よい鉄は釘にならず、よい人は兵にはならない」、中国で古来、そう言い習わされてきました。儒教の教えを国是とする「文の国」では、大昔から軍隊は軽蔑の対象でしかなかったのです。
とは言え、島国日本とは違って常に北方の遊牧民族の脅威にさらされていた中国は、軍隊を蔑ろにするわけにも行きません。軍が弱くなれば、あっという間に異民族に征服されてしまうからです。この脅威に、近代における日本の侵略に至るまで、中国は長い間さらされ続けていました。-軍-という「必要悪」といかにうまく付き合うか、このジレンマが、じつは中国史を背後から動かす、もっとも重要なファクターだったのです。
現在、中国の示威的な行動が、国際社会との軋轢を生み出しています。なぜ中国がこのような理不尽な行動に出るのか、われわれには不可解なばかりですが、著者の見立てでは、これは習近平をトップとする現在の中国の基盤の脆弱さの表れだということです。戦前の関東軍ではありませんが、軍部の暴走を指導部が押さえることができず、追認している可能性さえもあるのです。仮に指導部が軍に対して強硬手段に出ると、暴力の刃は逆に自分たちに向けられるかも知れない。前近代の皇帝たちと同じジレンマに、じつは現代中国も悩まされており、指導部は、非常に危ういバランスの上に立った舵取りを強いられているのです。
<軍-をキーワードに、古代から現代にいたる長い中国の歴史を繙くことによって、中国の知られざる「本質」が解き明かされてゆきます。
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