[BOOKデータベースより]
かつて東洋一といわれた三井金属神岡鉱山に誕生した、奇跡の音楽集団「神岡マイン・ニュー・アンサンブル」。廃墟の風景から聞こえてくる「昭和」のドキュメント。
序章 カミオカンデ
第1章 夢か、栃洞
第2章 孤高の人
第3章 人生のスラローム
第4章 あんちゃん
第5章 合同結婚式
第6章 乙女の祈り
第7章 天空のダンスパーティー
第8章 哀しきサキソフォン
終章 光と影
昭和30年代、好景気に沸き返っていた飛騨・三井金属の鉱山労働者たちが結成した「神岡マイン・ニュー・アンサンブル」。奇跡の音楽集団を廃墟の風景から描く「昭和」のドキュメント。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 帝室宮殿の見習い女官 シスターフッドで勝ち抜く方法
-
価格:836円(本体760円+税)
【2025年04月発売】
- 残月記
-
価格:935円(本体850円+税)
【2024年11月発売】
- 村の怖い話
-
価格:924円(本体840円+税)
【2025年03月発売】
- 珠華杏林医治伝 乙女の大志は未来を癒す
-
価格:715円(本体650円+税)
【2023年09月発売】
- 華は天命を誓う
-
価格:748円(本体680円+税)
【2024年11月発売】
廃墟から聞こえる幻の楽団の響き
梶田隆章のノーベル物理学賞受賞で湧く、岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデ。その1000メートル上には、かつて東洋一の採掘規模を誇り、同時に「イタイイタイ病」の原因企業ともなった三井金属神岡鉱山の集落が、廃墟となって静かに眠っている。
昭和30年代、鉱山が好景気に沸き返っていたころ、この地区には約800世帯、4000人が暮らしていた。社宅にはテレビ、冷蔵庫、洗濯機はもちろん、水洗トイレまで完備されており、まさに「天空の楽園」だったという。
あるときそこに、「音楽は好きだけれど、楽器もない、譜面も読めない」鉱山労働者たちが集まり、「神岡マイン・ニュー・アンサンブル」なるビッグバンドが結成された。三交代制のなか猛練習を重ね、彼らは集落の人々を楽しませるばかりでなく、企業の音楽部等がその実力を競う産業音楽祭中部大会で13回連続優秀賞受賞という大記録を打ち立て、東京でも公演を行う玄人はだしの集団となっていった。
本書は廃墟の風景から聞こえてくる幻の音楽と彼らの熱い思いを、生存者への取材等から浮かび上がらせる、「昭和」のドキュメントである。