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[BOOKデータベースより]
戦間期とは第一次世界大戦終了(1918年‐大正7年)から第二次世界大戦開始(1939年‐昭和14年)のあいだをいう。この戦間期日本の政治・社会・文化に亘る広範な事象とそれに関わる知識人の言説を、島崎藤村の『夜明け前』を媒体に考察する。この20年間に日本は大きく変容していくが、そのときどきの『夜明け前』受容のあり様を分析する。
戦間期の“人民戦線”―有島武郎と森戸辰男
1 知識人の世界戦争(島崎藤村の戦争証言―『仏蘭西だより』と世界戦争;満鉄の阿部次郎―第一次大戦・企業・教養;漱石山脈の地政学―池崎忠孝と安倍能成)
2 戦間期のメディア言説(長谷川天渓のラジオ―「放送用語」と心理学;プレイバック・バーナード・ショー―モダニズム断面;「プラーゲ旋風」の波紋―西條八十“映画主題歌”と権利問題)
3 『夜明け前』の受容圏(亀井勝一郎の藤村論―“転身”をめぐって;勝本清一郎の転身―『夜明け前』と“人民戦線”;資材としての『夜明け前』―村山知義の作劇法;監獄の『夜明け前』―読書行為と作劇法;舞台の上の『夜明け前』―“コントラプンクト”の周辺)