- 在庫状況:在庫あり(1〜2日で出荷)
- 猫鳴り
-
- 価格
- 576円(本体524円+税)
- 発行年月
- 2010年09月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784575513783
[BOOKデータベースより]
ようやく授かった子供を流産し、哀しみとともに暮らす中年夫婦のもとに一匹の仔猫が現れた。モンと名付けられた猫は、飼い主の夫婦や心に闇を抱えた少年に対して、不思議な存在感で寄り添う。まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた…。「死」を厳かに受けいれ、命の限り生きる姿に熱いものがこみあげる。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
ユーザーレビュー (3件、平均スコア:4.7)
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
- ほんらぶキャンペーン
-
「3 SPECIAL BOOKS」レビューコメント
死期を迎えた老猫と飼い主との心温まるやり取りがとっても堪らない猫好きの方にお勧めの1冊!
- hamachobi
-
生やさしい動物モノではない
最近、やたらと評判を耳にする沼田まほかる。ずっと気にはなっていたんだけど、なかなか、読む機会がなかったが、たまたま友人から勧められて読んだのがこの本。私が猫好きということで勧めたんだと思うけど。
確かにかなりの猫好きなんだけど、実は、猫が死ぬ話はキライ。なので、勧められても、しばらくは読まなかったんだけど、読んでみるとこれが面白い。生まれたての子猫だったときから、20年の生涯を全うするまでを三部構成で描いているんだけど、よくある動物モノとは違って、全く甘いところはない。解説で豊崎由美も書いているように、第一部でいたいけな子猫を何度も捨てるところなんて、ネコ好きとしては許せないところだったけど、その出だしから、第二部の生き物を傷つけることに快感を覚える少年の話や第三部の大往生のシーンなんて、普通の作家では描けないところだ。
ただ動物を可愛がるなんて、生やさしい話ではなく、生命とはなにか、ともに生きるとはどういうことなのかを考えさせられる。たしかに、すごい作家かもしれない。
- akoko
-
人に寄り添う動物・・でもペットじゃないです。
センセーショナルな内容で脚光を浴びている
「九月が永遠につづけば」に比べると
3編の連作短編で地味な感はあるが、
しっかり沼田ワールドです。
愛される対象である飼い猫にも、ある種の冷めた目で
遠くから客観視しつつ、しかし生き物としての
尊厳を持って生と死を描き切っている。
猫大好きな人は読むと胸が痛むと思いますが
読めばさらに一緒に暮らす動物たちへの愛情が
深くなります。人に心と体で寄り添ってくれる存在。
一匹の猫と三人の人間を巡る、決して明るくはない、だけど優しい物語。今注目の沼田まほかるが人の心の内面と「死」を、新たな視点で描く。