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[BOOKデータベースより]
わたしたちが生存を喪ふのも時間のなかにおいてである。わたしたちが不信を填めこんだ想像を解放するのも時のなかにおいてである。わたしたちが愛する者と訣別するのも時のなかにおいてである。風景が破壊されわたしたちが見知らぬ習慣に従属するのも時のなかにおいてである。夏から秋へ、そしてふたたび冬へ、閉鎖性と孤独の密度のなかで、しだいに高まりゆく、いまこの“固有時”。
日時計篇2(下)―1951(架空な未来に祈る歌;砲火に抗ふものの歌;乾いた風と砲火の夜;流亡と救済;わたしたちの生のための六月の歌 ほか)
“手形”詩篇―1952‐1954(救ひのない春;よりよい世界へ;危機に生き危機に死ぬ歌;独りであるぼくに来た春の歌;ひとびとは美しい言葉でもつて ほか)